【星月】「朝から集まってもらって悪いな。今聞いたように、お前達に大事な話がある」
【星月】「本日をもって、俺は、星月学園理事長に就任した」
一部の生徒が驚きを隠せないといった感じでひそひそ話を始める。
なかなか静まらない声に星月先生は一喝した。
【星月】「騒がしいぞお前ら。ちょっと聞いてくれ。今までは俺の姉が理事長を務めていた」
【柿野】「えぇっ! さっきの人って星月センセのお姉さんだったのか!?」
【梨本】「知らなかった……」
クラスメイト達も動揺を隠せないようだった。
【星月】「だが、姉が海外で仕事をすることになった。今までも、姉の仕事を手伝っていたんだが……」
【星月】「これを機に、今回、俺が正式に理事長に就任することになった」
【星月】「……そういうわけだ。まぁ仕事は適当に頑張ろうと思うが、俺でもいいかー?」
【柑子】「て、適当って……理事長がそんなんでいいのか!?」
【粟田】「ははっ、マイペースで良いな。頑張れよー!」
星月先生らしいマイペースっぷりに、今度は体育館が笑いに包まれる。
【星月】「おー、頑張る、頑張る。だが、“適当”の意味を履き違えるなよ」
【星月】「“適当”っていうのはだな、いい加減にやることじゃないぞ」
【星月】「それぞれに合う、ふさわしいやり方で要領よくやっていくってことだ」
【橘】「けど、保健室はどうなるんだ??」
【柿野】「それぞれに合う、ふさわしいやり方っていうことは、もしかして……」
【星月】「いいか良く聞け。俺は理事長になった。だが、同時に保健医も続ける」
【星月】「大変かもしれないが、俺は、お前達と接する時間も大事だと考えている。だから……」
【星月】「俺に会いたい奴は、今まで通り保健室に来い。以上だ」
颯爽と壇上を降りる星月先生に、止まない声援が降り注ぐ。
生徒達みんなが、星月先生を応援し、喜んでいるのが伝わってくる。