【月子】「哉太……?」
近かった距離がもっと近くなって……
2人の距離が、なくなった。
【哉太】「……」
少し不器用で、優しいキス。
このキスは、最初から私を幸せにしてくれた。
【哉太】「俺からもクリスマスプレゼントだ。ほ、ほら、俺も、マフラーとキス、もらったからな」
目の前にいる恋人が、とても愛しくて。
私はギュッと、哉太の背中に腕を回した。
【哉太】「お、おい……!」
【月子】「ありがとう。すっごく素敵なプレゼント」
【哉太】「それ、どっちの事言ってんだ?」
【月子】「またそういう事言う~……どっちもだよ」
【哉太】「あはは、俺も。マフラー、大事にすっから。それからさっきのキスも、胸ん中にちゃんとしまったから」
【月子】「うん。私もだよ」
【哉太】「ぜってー忘れねぇ。あ、忘れろっつっても無理だからな?」
ギュッと抱きしめ返してくれる哉太に笑いながら、私達はもう一度キスをした。
【哉太】「なぁ、俺達来年も再来年もその次の年も……ずーっとこうやって、一緒に過ごそうな」
【月子】「絶対ね?」
【哉太】「当ったり前だろ!」
身体を少しだけ離して向かい合う。
その微妙な距離に、私達は恥ずかしくなって同時に目をそらした。
【哉太】「おい、なんで目そらすんだよ?」
【月子】「哉太もでしょ?」
【哉太】「っ……。……あのよ、好きだ」
【月子】「え……ていうか、言うタイミングおかしいよ」
【哉太】「言いたかったんだから、いーんだよ。本当は、いつでもどこでも……言いてぇんだ」
【月子】「私も、好き……だよ」
今度はちゃんと、お互い目を合わせて。
私達はそろって素直じゃないから……
たまにはこうして、そのままの気持ちを伝える。
その時、哉太の頬に白い綿菓子のようなものがフワリと落ちて、雫になった。