【土萌】「……寝ちゃったら、君、いなくなっちゃうでしょ……? そんなのやだ」

【月子】「いなくならないよ。ここ気持ちいいから、羊君が起きるまで私ものんびりしてる」

【土萌】「ホント? じゃあ、僕のお願い聞いてくれないかな?」

【月子】「うん? いいけど、何?」

【土萌】「膝枕、して」

【月子】「えっ! それはちょっと恥ずかしい……」

【土萌】「お願い~……」

【月子】「……もう、しょうがないなぁ」

照れくさかったけど、しょうがなく頷くと、羊君が上機嫌に頭を乗せてくる。
ニコニコして、とっても嬉しそう。

【土萌】「僕が眠るまで頭を撫でてくれてもいいよ? ……なんてね」

【月子】「ふふ。何だか子どもっぽい」

【土萌】「む……、僕は立派な男だよ」

【土萌】「君を守れるように、ケンカも強くなったし……」

【土萌】「背だって伸びたし……」

【土萌】「意地張って、涙堪えてた…あの頃の僕とはもう違うんだから……」

【月子】「はいはい」

【土萌】「……ほんとに聞いてる?」

【月子】「聞いてる聞いてる」

【土萌】「……ねぇ、どうしたら、君は…僕を…男として見てくれる……?」

【月子】「……羊君……」

返答に困り、声を詰まらせる。

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