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未公開イベント 榛名宗太郎 -成長シナリオ-

 


『ハロウィン・ウィッチ』


 

※ハロウィン メインシナリオからの一幕になります

 

――インクル・ナイトメアパーティー準備期間中。練習スタジオにて。

 

【結崎芹】
「それにしてもさ~」

 

【檜山朔良】
「なにこっち見てんの?」

 

【結崎芹】
「いや、この前がハロウィンライブのフライヤー配りを亜貴にお願いされたときのことを思い出してさ」

 

【結崎芹】
「まさか朔良が、自主的にフライヤー配りに立候補するとは思わなかったなーと思って」

 

【檜山朔良】
「そうか?」

 

【結崎芹】
「そうだよ。あのめんどくさがりな朔良が、雑用仕事を自ら!?って、かなり衝撃だったんだからな?」

 

【珠洲乃千哉】
「……」

 

【榛名宗太郎】
「あら、ちーちゃん、どうかした?」

 

【珠洲乃千哉】
「……いや、藍鉄Rock Fesから朔良が少しずつ変わって来ているような……って、買い被りすぎかな」

 

【榛名宗太郎】
「ふふ。そんなことないんじゃない?さくらちゃんなりに頑張ってると私も思ってるもの」

 

【結崎芹】
「そうだな。藍鉄Rock FesからAutumn Rock Fesを経て、大先生がこんなに成長するなんて……」

 

【結崎芹】
「いつも世話してやってる俺からしたら、感動ものだよ。あの!いつもウチでだるーんとしてる朔良が!!ってな」

 

【檜山朔良】
「なんだそれ」

 

【榛名宗太郎】
「あら、だるーんとしてるさくらちゃんも私、好きよ?」

 

【檜山朔良】
「サンキュ、宗」

 

【榛名宗太郎】
「や~~ん♥微笑みにキュンキュンしちゃう~~♪」

 

【珠洲乃千哉】
「何やってるんだか……」

 

【結崎芹】
「――あ!」

 

【榛名宗太郎】
「どうしたの、せっちゃん?」

 

【結崎芹】
「そういや忘れてたけど、Autumn Rock Fesの後、時明さんから連絡が来たんだよ」

 

【珠洲乃千哉】
「え、英さんから……?」

 

【結崎芹】
「『これからもLiar-Sの進軍を楽しみにしてる』ってさ」

 

【珠洲乃千哉】
「そうなんだ……」

 

【結崎芹】
「なんか先輩にそういうこと言われたらさ、やるしかなーい!って気になるよな」

 

【榛名宗太郎】
「そうね!はる先輩にお礼のメールしなきゃ♪」

 

【結崎芹】
「そういえば、会場に優さんも来てたって時明さんから聞いたっけ」

 

【珠洲乃千哉】
「え?黒谷さんも?」

 

【結崎芹】
「ああ。優さんが観客としてフェスに来るなんて珍しいよな?」

 

【檜山朔良】
「ああ、それは俺が来てくれって言ったからだと思う」

 

【結崎芹】
「えっ、そうなのか!?お前が優さんに!?ますます意外な展開だな」

 

【榛名宗太郎】
「ふふ……ゆうさん、さくらちゃんを心配して来てくれたのかもしれないわね」

 

【檜山朔良】
「でも、あの時の俺らの演奏を聴けば、黒谷さんももう俺らは大丈夫だって分かってくれるだろ」

 

【榛名宗太郎】
「ふふっ、そうね♪」

 

【珠洲乃千哉】
「どういうこと……?」

 

【檜山朔良】
「ガキには内緒」

 

【珠洲乃千哉】
「はあ?

 

【結崎芹】
「こらこら、こんなとこでケンカしなーい。朔良がせっかく成長したと思って感動してたのに」

 

【結崎芹】
「ほら、早くスタジオ行って練習しようぜ」

 

【榛名宗太郎】
「そうねっ♪今日も張り切って練習しましょ」

 

***

 

――インクルに来たLiar-S御一行は……。

 

【結崎芹】
「おお……!なんかインクルの店の中、すっごいことになってるな……!」

 

【珠洲乃千哉】
「これ……ハロウィンの装飾?」

 

【檜山朔良】
「雰囲気変わるな」

 

【榛名宗太郎】
「ちょっとちょっと!かわいいじゃない!どういうことなの、これ……!」

 

【結崎芹】
「これって、ハロウィンライブに向けての飾りかな?」

 

【檜山朔良】
「あー、そういや……ステージと店内をハロウィンっぽく飾るって、フライヤー配りの時にスタッフが言ってた気がする」

 

【珠洲乃千哉】
「なるほど、そういうことか」

 

【榛名宗太郎】
「見て見て!ライトにコウモリがデコレーションしてある……可愛い~!!」

 

【珠洲乃千哉】
「本当だ……他も全部ハロウィン仕様……すごい」

 

【結崎芹】
「手が込んでるな~。これもスタッフさん達が作ったのかな?」

 

【音石夕星】
「ん?あんた達……」

 

【結崎芹】
「あ、夕星!」

 

【榛名宗太郎】
「あら、ゆーちゃん!いまね、ハロウィンの飾り付けがすごいって話してたのよ~」

 

【音石夕星】
「スタッフ総出でやってるからねぇ。まだ途中だけど、ここまでするのに結構時間かかったよぉ~」

 

【榛名宗太郎】
「もしかして、ここの飾りつけって……」

 

【音石夕星】
「うん。飾りのデザインを考えたのは僕だよぉ~」

 

【榛名宗太郎】
「まあ、そうだったのね!ゆーちゃんすごいわ~!」

 

【音石夕星】
「でしょ~♥ところでハルちゃん、この集まりってなぁに?嘘つき達が全員揃うなんて、何かあるわけ?」

 

【檜山朔良】
「普通に練習しに来ただけ」

 

【音石夕星】
「なーんだ、つまんないの。もっと楽しいことでもするのかと思ったのに」

 

【結崎芹】
「練習だって楽しいだろ?」

 

【榛名宗太郎】
「ねーえ?ゆーちゃんもここでお手伝いしてたの?」

 

【音石夕星】
「そうだよ。ハロウィライブまでもうすぐだから、ここの飾りつけさっさとやらなくちゃいけなくてさ~」

 

【珠洲乃千哉】
「へぇ……案外真面目に手伝いやってるんだな」

 

【榛名宗太郎】
「そうだわ!私達にも手伝わせてくれない?」

 

【珠洲乃千哉】
「え?」

 

【榛名宗太郎】
「ねっ、いいでしょ?いつもお世話になってるインクルへのお返しってことで!」

 

【結崎芹】
「そうだな。俺らはフライヤー配りに参加できなかったのもあるし……」

 

【珠洲乃千哉】
「まあ……確かにな。次のライブまでまだ日があるから、練習もそこまで急いでない」

 

【檜山朔良】
「俺も、別に構わない」

 

【結崎芹】
「じゃ、決まりだな!夕星、俺達は何をすればいい?」

 

【音石夕星】
「とりあえず今はこのロビーとステージで二手に分かれて作業してるとこー」

 

【結崎芹】
「……ふむふむ、それじゃ、俺と朔良でステージの方をやってくるよ」

 

【榛名宗太郎】
「じゃ、私はちーちゃんと♥」

 

【珠洲乃千哉】
「それぞれ終わったらまた集合って感じでいい?」

 

【結崎芹】
「オッケー!」

 

【榛名宗太郎】
「よーしっ!私達の手でインクルをとびっきりステキにしちゃいましょ♥」

 

***

 

【結崎芹】
「はいは~い、とりあえず向こう終わったよ~!」

 

【珠洲乃千哉】
「お疲れ」

 

【檜山朔良】
「次は?俺、何すればいい?」

 

【榛名宗太郎】
「それじゃあ、さくらちゃんにはちーちゃんと一緒に輪飾り作りをお願いしようかしら」

 

【檜山朔良】
「分かった。任せとけ」

 

【珠洲乃千哉】
「丁寧に作れよ朔良」

 

【音石夕星】
「ハルちゃん、作ったやつ、ずら~って高いところに飾るのはどう?」

 

【榛名宗太郎】
「あら、いいじゃない!ゆーちゃんナイスセンス♥」

 

【音石夕星】
「でしょ~?」

 

【結崎芹】
「ほい、これが輪飾り用の紙な。足りなくなったらまた持ってくるから」

 

【檜山朔良】
「ああ」

 

【珠洲乃千哉】
「こういうの、小学校の時にやったな。懐かしい……」

 

【檜山朔良】
「あー、だな」

 

【珠洲乃千哉】
「……って朔良、紙を折り紙にするなよ!今から僕達は輪飾りを作るんだからな」

 

【榛名宗太郎】
「ゆーちゃん、こっちもやっちゃいましょ?」

 

【音石夕星】
「任せて~♥」

 

***

 

【珠洲乃千哉】
「あのさ……朔良の作った輪飾り、全部形がバラバラなんだけど?」

 

【檜山朔良】
「だいたい同じだろ」

 

【珠洲乃千哉】
「だいたいじゃなくて、ちゃんと揃えて。じゃないと見栄えが悪くなるから」

 

【檜山朔良】
「さすがに細かすぎるだろ。このぐらいでいい」

 

【珠洲乃千哉】
「手伝いでやってることなんだから真剣にやれ!」

 

【榛名宗太郎】
「はいはい、2人ともケンカしちゃダーメ!」

 

【榛名宗太郎】
「きちんと出来た飾りはこれかしら?さっそく向こうに飾ってきちゃうわね~」

 

【結崎芹】
「あの壁の高いとこに飾るんだろ?だったら俺がやるよ」

 

【榛名宗太郎】
「あら、いいの?」

 

【結崎芹】
「だって俺のが背高いし。どういう風に飾ればいいのかだけ指示してくれるか?」

 

【榛名宗太郎】
「ええ、分かったわ!」

 

【音石夕星】
「ハルちゃん、僕も手伝うよぉ~♥」

 

【榛名宗太郎】
「あら、私ったらモテモテね♥」

 

【榛名宗太郎】
「そういうことなら2人にお願いしちゃおうかしら。ちょっと待ってね、テープを持ってくるわ」

 

***

 

【結崎芹】
「夕星、ハロウィンライブの調子はどうだ?亜貴とうまくやれてるのか?」

 

【音石夕星】
「当たり前じゃん。いつも通り楽しくあーちゃんをいじめて可愛がってるよぉ♥」

 

【結崎芹】
「いやいや、いじめてたらダメだろ。あんまり亜貴を怖がらせてやるなよ?」

 

【音石夕星】
「ぶ~、別に怖がらせてなんかないよぉ~」

 

【結崎芹】
「ところで、今日は亜貴は?」

 

【音石夕星】
「仕事だってさ。だから今日は僕だけ~」

 

【結崎芹】
「へえ、そうなのか」

 

【結崎芹】
(1人でも真面目に作業しに来るなんて、ホントやる気なんだな、夕星)

 

【榛名宗太郎】
「せっちゃん、ゆーちゃん。お待たせ、テーブル持ってきたわよ~」

 

【結崎芹】
「おー!ありがとなハル~!」

 

***

 

【珠洲乃千哉】
「よし、ここの飾りも完成……と」

 

【檜山朔良】
「だいぶ出来てきたんじゃね?」

 

【結崎芹】
「だな!やっぱこの人数でかかるとスムーズに進むな~。早く進んだ分、ちょっと休憩しないか?」

 

【榛名宗太郎】
「そうね、そうしましょうか」

 

【榛名宗太郎】
「それにしても……やっぱいいわねぇ、季節物のイベントって。装飾を見てるだけで、気持ちがワクワクしてくるわ♪」

 

【音石夕星】
「嘘つき達は、ハロウィンに何か仮装とかしないの~?」

 

【結崎芹】
「んー、今年は特にそんな予定はないな。ハロウィン当日に入ってる仕事も、ハロウィンに全く関係のない内容だし……」

 

【榛名宗太郎】
「そうなのよねぇ。だからこそ、余計に憧れちゃうわ」

 

【音石夕星】
「そっかぁ~。もし仮装するんだったら、ハルちゃんはどんなの着たい?」

 

【音石夕星】
「ハルちゃんなら似合う仮装がいっぱいあると思うなぁ~♥」

 

【榛名宗太郎】
「あら、そう?」

 

【結崎芹】
「分かる!どんな仮装がいいかな?ハルっぽいやつ……カワイイ感じのがいいんじゃないか?」

 

【榛名宗太郎】
「じゃあ~……せっちゃんはオオカミさんだから、オオカミ男で決定ね♪」

 

【檜山朔良】
「確かに、芹は夜が来る度にオオカミになるからな」

 

【音石夕星】
「へぇ、せりりってそうなんだ~。激しいねぇ」

 

【結崎芹】
「ちょっと大先生に夕星~~?ここには女性スタッフもいるんですけど~~~?」

 

【檜山朔良】
「つい。けど実際芹は――」

 

【結崎芹】
「ストーーーーーップ!!!それ以上はお口チャックしましょうね~~~!」

 

【榛名宗太郎】
「ちょっと男子~?もうっ、そんなつもりで言ったんじゃないのに」

 

【榛名宗太郎】
「どうして男の子って、そうやってすぐそっち系のネタに走っちゃうのかしら?」

 

【音石夕星】
「ごめんね、ハルちゃん♥」

 

【檜山朔良】
「芹のオオカミに免じて許してくれ」

 

【結崎芹】
「いやいや、おかしいから!俺に変なイメージついたらどうするんだよ!」

 

【珠洲乃千哉】
「はぁ……またそうやって騒ぎ出す……。このままじゃ休憩にならないから、僕は作業を再開するよ」

 

【結崎芹】
「あ~千哉ゴメンって!」

 

【結崎芹】
「けど、この話の流れだと、おとなしく作業してたほうが俺も変な誤解を避けられそうだな」

 

【榛名宗太郎】
「ふふ、そうかもしれないわね。それじゃあ作業に戻りましょうか」

 

【音石夕星】
「はぁ~い」

 

【結崎芹】
「というわけで朔良、そこにある紙の束こっちに回して」

 

【檜山朔良】
「はいよ」

 

【音石夕星】
「えーっとぉ、テープ、テープ……あ」

 

【音石夕星】
「りーんりん♪」

 

【珠洲乃千哉】
「……まさかそれ、僕のこと呼んでる?」

 

【音石夕星】
「そうだよぉ。ねぇ、テープ貸して♥」

 

【珠洲乃千哉】
「……はい。ったく、りんりんとかすずとか、変な呼び方ばかり……たまにはちゃんと人の名前を呼べよな」

 

【音石夕星】
「だってすずって犬っぽい名前が似合うんだもん。はい、お手」

 

【珠洲乃千哉】
「しないよ、芸なんか!」

 

【檜山朔良】
「千哉は犬の仮装が似合うんじゃね?ハロウィン」

 

【榛名宗太郎】
「まあっ、いいわね~!犬種は何かしら?」

 

【檜山朔良】
「チワワだろ」

 

【結崎芹】
「ぷぷっ」

 

【珠洲乃千哉】
「……ちょっと。なにかにつけて僕をチワワでいじろうとするの、やめろよな」

 

【音石夕星】
「すず小さいからアリなんじゃない?」

 

【珠洲乃千哉】
「アリじゃない!全然アリじゃないから!」

 

【榛名宗太郎】
「で、さくらちゃんの仮装は~……」

 

【檜山朔良】
「フランケンシュタインなら、この間やった。フライヤー配りの時に」

 

【榛名宗太郎】
「えっ、そうなの!?写真とか残ってる?」

 

【音石夕星】
「僕がスマホで撮ったのがあるよ。ハルちゃん、見る~?」

 

【榛名宗太郎】
「見たい見たい!」

 

【音石夕星】
「は~い。どうぞ」

 

【榛名宗太郎】
「どれどれ……まあっ、本格的!イケメンは仮装してもかっこいいのねぇ♥」

 

【結崎芹】
「どれどれ……。はは、一緒に写ってる亜貴やスタッフさん達も楽しそうだな」

 

【榛名宗太郎】
「この衣装ももしかして、ゆーちゃんが用意したの?」

 

【音石夕星】
「デザインを起こしたのは僕だよ。あとはデザイン画渡して作ってもらったの。よく出来てるでしょ♥」

 

【榛名宗太郎】
「ええ、とっても素敵!こんなにたくさんの人数、デザインだけでも大変だったでしょう。すごいわ~ゆーちゃん。なでなでしてあげちゃう♪」

 

【音石夕星】
「わぁ~い♪」

 

【珠洲乃千哉】
「だからみんな、真面目に作業しろってば」

 

【音石夕星】
「作業しながらおしゃべりしてるんだよぉ~」

 

【珠洲乃千哉】
「あっそう……。はあ、まったく……」

 

【音石夕星】
「ん~、ハルちゃんは何の衣装がいいかな~」

 

【結崎芹】
「俺達には出来ないヤツを攻めてもらいたいよな……猫耳とか!?」

 

【音石夕星】
「それ、すごーく可愛いねぇ♥」

 

【榛名宗太郎】
「でも、動物枠はもうオオカミ男がいるじゃない?」

 

【檜山朔良】
「食われるかもな」

 

【榛名宗太郎】
「きゃー、こわ~い♥」

 

【結崎芹】
「グハハハハハ、可愛い仔猫は俺様が食べてやる~!」

 

【珠洲乃千哉】
「あっ、コラ芹!暴れるな!」

 

【音石夕星】
「あーあ、せりりが暴れたせいで飾りの糊が取れちゃったじゃん」

 

【結崎芹】
「うわっ!?マジか!?」

 

【音石夕星】
「It’s a lie.」

 

【結崎芹】
「夕星~~~?」

 

【珠洲乃千哉】
「はぁ、どいつもこいつも……ん?」

 

【珠洲乃千哉】
「ねぇ、あそこにある衣装って……」

 

【音石夕星】
「ん?ああ、アレ?」

 

【榛名宗太郎】
「まあ……!これって、魔女の衣装?」

 

【音石夕星】
「これは余ってる分だよ」

 

【榛名宗太郎】
「まあ、そうなの!素敵ねぇ……!」

 

【音石夕星】
「気に入ったならハルちゃんにあげるよ」

 

【榛名宗太郎】
「えっ!いいの?私が貰っちゃっても……」

 

【音石夕星】
「いいよぉ~。このままここに置いておいても、ただの布っきれになるだけだしねぇ」

 

【珠洲乃千哉】
「着る人間選びそうな服……」

 

【結崎芹】
「けど、ハルなら着こなせるんじゃないか?」

 

【榛名宗太郎】
「本当?そう思う?やだ、そう言われるとドキドキしてきちゃうわ……!」

 

【榛名宗太郎】
「魔女……いいわね、魔女……!可愛いし妖しい雰囲気もあって、ハロウィンっぽいもの!」

 

【音石夕星】
「ねえねえ、せっかくだから着てみてよ」

 

【榛名宗太郎】
「えっ、今?」

 

【檜山朔良】
「どうせ俺達しかいないんだからいいんじゃね」

 

【榛名宗太郎】
「でも、飾りつけの準備が……」

 

【珠洲乃千哉】
「まあ、飾りつけはほとんど完成してるから宗太郎が1人抜けても大丈夫だろ」

 

【結崎芹】
「ほら!千哉の許可も出たことだし、どうだ?」

 

【榛名宗太郎】
「う~~ん、でも……」

 

【音石夕星】
「なんでそんなに悩むの?どこか気に入らないところでもあった?」

 

【榛名宗太郎】
「ううん、違うの。だってほら、これって女性用でしょ?」

 

【榛名宗太郎】
「私にはサイズが合わないんじゃないかしら。ホントに私が着ていいのかっていう気持ちもあるし……」

 

【音石夕星】
「だいじょーぶ。ハルちゃんなら絶対似合うよ」

 

【音石夕星】
「もしサイズが合わなかったら、少し調整するくらいなら僕にもできるからやってあげる」

 

【榛名宗太郎】
「……ふふ、ありがとう。絶対似合う、なんて言われちゃったら、心強いわ」

 

【檜山朔良】
「俺も宗なら似合うと思う。ってか、他に着こなせそうなヤツが思い付かない」

 

【結崎芹】
「言えてる。なんていうかさ、ハルのために作られた衣装って感じ?」

 

【音石夕星】
「デザイン描いてる間、ハルちゃんのこと考えてたからかな~?これ、ハルちゃん着たら可愛くなりそうって思ってたんだよねぇ♥」

 

【榛名宗太郎】
「まあ……!そうだったの?」

 

【珠洲乃千哉】
「そういうことならなおさら着るべきだと思うよ。せっかくの衣装が誰にも着られずに終わるなんて可哀想だ」

 

【榛名宗太郎】
「そうね、それは確かに……」

 

【音石夕星】
「でも、無理に着ることないよ。『ハルちゃん』じゃなくて『宗太郎』としてハロウィンを楽しみたければ、急ごしらえにはなるけど、それ用にアレンジすることも出来るしね」

 

【榛名宗太郎】
「ゆーちゃん……ありがとう。ふふっ、せっかく魔女になれる機会だものね」

 

【榛名宗太郎】
「……決めた!私、着てみるわ!みんな、ちょっと待っててね」

 

【結崎芹】
「よし!じゃあ奥の部屋貸してもらおう」

 

***

 

【榛名宗太郎】
「ゆーちゃーん!ちょっと手伝ってくれる」

 

【音石夕星】
「はいは~い」

 

***

 

【檜山朔良】
「結構時間かかりそうだな」

 

【結崎芹】
「それだけお楽しみが増すってことで!」

 

***

 

【音石夕星】
「ハルちゃん、ここ止めるからね~」

 

【榛名宗太郎】
「あ、じゃあこうしておいた方がいいわよね」

 

【音石夕星】
「そうそう。じゃ、行くよぉ~」

 

【榛名宗太郎】
「……ふふっ!やだ、そこ触っちゃダメよゆーちゃん。くすぐったいわ♥」

 

【音石夕星】
「ハルちゃんがもっと美人になるためだから我慢我慢~♥」

 

***

 

【珠洲乃千哉】
「……何なの、この会話」

 

【結崎芹】
「な、なんか妙な感じになってないか!?」

 

【檜山朔良】
「イチャついてんな」

 

【結崎芹】
「こらーーっ夕星!ハルに変なことするなよー!?Liar-Sリーダーとしてストップかけるぞー!!」

 

【音石夕星】
「もー、せりりうるさぁ~い」

 

【榛名宗太郎】
「ふふっ……ほらゆーちゃん、怒られちゃうから早く続きをよろしくね?」

 

***

 

【結崎芹】
「おーい、まだか~?」

 

【榛名宗太郎】
「出来たわよ~!ちょっと待って~……って、ゆーちゃん?それ、どうしたの?」

 

【音石夕星】
「いいもの見つけたぁ~♥ハロウィンっぽくない?」

 

【榛名宗太郎】
「確かにちょうどいいかもしれないわね!それなら……」

 

***

 

【榛名宗太郎】
「みんな~、お待たせ~♥」

 

【榛名宗太郎】
「トリックオアトリート!」

 

【結崎芹】
「おお~!ハル、かっわい~!!」

 

【檜山朔良】
「予想を超えて似合ってるな」

 

【珠洲乃千哉】
「だな……。宗太郎専用の衣装みたいだ」

 

【榛名宗太郎】
「うふふ~♥やだわ、みんな褒めすぎよ~」

 

【音石夕星】
「ハルちゃん、一緒に写真撮ろ~♥」

 

【結崎芹】
「あっ、俺も撮る!むしろ動画で撮る!スマホスマホ~っと♪」

 

【榛名宗太郎】
「ふふ、だったらポーズ決めちゃう?」

 

【榛名宗太郎】
「ハルちゃん魔女から、ありったけの愛とお菓子をプレゼントしちゃうわ~っ♪それ~っ!」

 

【珠洲乃千哉】
「めちゃくちゃ楽しんでるな……」

 

【結崎芹】
「ハル、ハルー!こっちにも決め台詞的なの頼む!」

 

【榛名宗太郎】
「そうねぇ……じゃあ、こういうのはどう?」

 

【榛名宗太郎】
「Hope your Halloween is a Treat!」

 

 

***

 

【結崎芹】
「は~!無事に手伝い終了!」

 

【檜山朔良】
「ひたすら紙切ってた覚えしかねぇな」

 

【珠洲乃千哉】
「その紙もガタガタで、長さはバラバラだったけどな」

 

【榛名宗太郎】
「ふふ、思わぬ魔女体験が出来て楽しかったわ~♥」

 

【結崎芹】
「ほんとよく似合ってたよな、ハル。俺はもう魔女ハルの虜だよ♥」

 

【榛名宗太郎】
「やだ~、せっちゃんったら♥」

 

【音石夕星】
「ハルちゃんに気に入ってもらえて嬉しいなぁ~。また何かあったら、ハルちゃん専用衣装用意してあげるねぇ♥」

 

【榛名宗太郎】
「ふふふ、楽しみにしてるわね!」

 

【榛名宗太郎】
「でも、良かったわ。ちょっとでもお手伝い出来て」

 

【珠洲乃千哉】
「そうだな。インクルにはたくさんお世話になってるけど、なかなか恩返しできる機会ってないから……」

 

【結崎芹】
「良いチャンスがあって良かったよ。ジンさんにも、他のスタッフさん達にも喜んでもらえるといいよな!」

 

【榛名宗太郎】
「ふふ、そうね!」

 

【榛名宗太郎】
「ちょっとだけだったけどハロウィンを楽しめて嬉しかったわ。明日からもお仕事頑張りましょう♪」

 

END