【主人公】「結婚してください。もう一生、 私は琥太郎さんのそばを離れないって証明したいです」
【琥太郎】「……お前には未来がある」
【主人公】「誰にでも未来はあります」
【琥太郎】「それに、お前の気持ちがこの先、変わるかもしれない」
【主人公】「そんなこと……!」
【琥太郎】「分からないだろう? その時、お前が後悔するような事にはなって欲しくない」
【主人公】「そんな事、あるわけない!」
琥太郎さんのあんまりな言葉に、私は彼に抱きつきながら叫んだ。
【主人公】「気持ちが変わるなんて、そんな事……」
【主人公】「そんな余裕もないくらい、私は琥太郎さんが好きなんです。 大好きなんです」
【琥太郎】「お前……」
琥太郎さんは、私を抱きしめ返してくれて……
【琥太郎】「お前の気持ちは分かってるつもりだ。 それでも、俺は考えてしまうんだ」
【主人公】「そんな事は考えなくていいです」
【主人公】「だから、私の気持ちを証明させてください。 逆に、琥太郎さんの気持ちも見せてください」
【琥太郎】「結婚していきなり失敗したら、お前の両親に申し訳がたたない」
【琥太郎】「それに、お前はまだ一人前になっていない」
【主人公】「それはそうかもしれないけど……」
そんな事よりも何よりも、ただ琥太郎さんと一緒になりたい。
その気持ちが大き過ぎて、先走ってしまう。
【琥太郎】「そんなお前と一緒になるのは早過ぎる。 だから、まずは一緒に暮らさないか?」
【主人公】「一緒に……?」
琥太郎さんの口から出た、意外な言葉に私はじっと琥太郎さんを見つめ返す。
【琥太郎】「ああ。俺の気持ちは今、話した通りだ。 だが、いつまでもお前を寂しがらせたり、不安な気持ちにはさせておきたくない」
【琥太郎】「それに……もちろん、俺もお前と一緒にいたいしな」
【主人公】「琥太郎さん……分かりました」
正直言えば、全て納得出来たわけじゃない。
琥太郎さんは結婚する前から、失敗することを恐れてる。
だけど、琥太郎さんが言ってくれたように……
一緒に暮らすところから始めるのもアリかもしれない。
一緒に暮らせるだけでもすごく嬉しい……。
毎日、琥太郎さんに会えるんだから。