【主人公】「陽日先生はどんな花が好きですか? 陽日せん……あれ、いない?」
私が花に夢中になっている間に、陽日先生の姿が見えなくなってしまった。
【主人公】「陽日先生? 陽日せんせ……っ」
あれ……?今、頭に何かのったような……?
【陽日】「……うん、似合うな~! 花冠。昔の記憶をたどって作ってみた」
【主人公】「陽日先生、いた!」
【主人公】「お花の冠って……なんだか、本当に童話の世界にいるみたいですね」
【陽日】「あ、えっと……、ちょっと子供っぽすぎたか?」
【主人公】「いいえ、そんなことありません。嬉しいです!」
【陽日】「そ、そうか……。その、似合っててすごくかわいい、ぞ……」
【主人公】「あ、ありがとうございます」
SE:カメラのシャッター音
【主人公】「えっ……?」
突然のシャッター音に顔を上げると、いつの間にか、陽日先生がカメラを構えていた。
【主人公】「陽日先生! いきなり撮らないでください。恥ずかしいですよ……」
【直獅】「ははっ、いいじゃんか。ほら、オレたち、恋人同士なんだから」
【主人公】「それ、あんまり関係ないような気がします……」
【陽日】「今日の想い出を残しておきたいんだ。写真できたら一緒に見ようぜ!」
【主人公】「はい! 楽しみにしています」
【主人公】「……そうだ。陽日先生、座りましょうよ。私の隣に座ってください」
【陽日】「お、おう。そうだな……」
私たちはお花畑の真ん中に、並んで腰を下ろした。
顔を見合わせて微笑むと、陽日先生がそっと私の手を握ってくれる。
【主人公】「空気もキレイだし、誰もいないし……本当にいい場所ですね」
【陽日】「ああ、今日は一緒に見られてよかったな」
【主人公】「……はい、忘れられない思い出になりました」
私が笑った後、急に2人とも黙ってしまって、ただお互いの手をぎゅっと握り直す。