【月子】「私は大丈夫だからもうやめて!」
【錫也】「でも、あいつらお前に怖い思いをさせた!お前に触った!」
【月子】「錫也、落ち着いて。手をケガしてるよ」
【錫也】「あ……」
良かった、ようやく私の目を見てくれた……。
【錫也】「錫也……大丈夫だから。私、ここにいるから」
錫也が少しでも安心してくれるように力いっぱい抱きしめる。
やっと落ち着きを取り戻したのか、錫也はその場で立ち尽くす。
【錫也】「お、俺……」
その身体を、なおも力を入れて抱きしめる。
私の腕は気付けば少し震えていて……私、怖かったんだ。
【月子】「……錫也、大丈夫だから」
【錫也】「ああ……」
【月子】「私はここにいるから……」
【錫也】「ごめん。俺、取り乱した……。戻って来たらお前がいなくて……それで……」
【月子】「心配かけてごめんね……」
【錫也】「俺のことは良いんだ。それよりも……気付くのが遅くなってごめん」
【月子】「大丈夫だよ」
錫也は頷いて、私を抱きしめ返してくれる。
その体温に、すっと心が落ち着いていく。
【錫也】「なぁ、何もされなかったか? どこか痛い所はないか?」
そう言いながら、錫也が私の服のそでをめくる。
ちょうど、掴まれていた部分があらわになり少し赤くなっているのが分かった。
【月子】「……っ」
【錫也】「赤くなってる……。あいつら……お前に……」
【月子】「心配しないで。痛くないから。こんなのへっちゃらだよ!」
【錫也】「ごめん。本当にごめん。守るって言ったのに痛い思いをさせたな……」
【月子】「大丈夫だよ。錫也が来てくれるって分かってたから」
【月子】「それより錫也、手、出して」
【錫也】「え、ああ……」