錫也は優しい語り口調で、次々に興味深い星の話を聞かせてくれる。
けど、耳を傾けているうちに、私はだんだん眠くなってしまった。
うとうとと目を擦っていると、錫也が心配そうに顔を覗き込んでくる。
【錫也】「眠いの? 大丈夫? そろそろ戻る?」
【月子】「ううん。もっと聞かせて」
【錫也】「そう? しょうがないな。それでね…」
錫也の声、耳に心地良くって、まるで子守唄のよう。ずっとずっと、聞いていたいな……。
…………………。……………。………。
【錫也】「でね……。ん? ……寝ちゃった、か」
遠くに錫也の声が聞こえる気がする……。
でも、なんだか気持ちよくて、頭もぼんやりしてハッキリしない。
【錫也】「……まったく、無防備なんだから……。俺も何、見惚れてるんだか……」
ため息ついてるみたい。やっぱり錫也の声は優しいな……。
【錫也】「変わらずにあるものなんて、ないかもしれないけど……」
【錫也】「このままでいられたら良いのに……」
【錫也】「ずっと隣にいられると思ってた…。変わることなく、今のままで……」
……何の事……?
【錫也】「羊も……哉太も……。そういうのが、全部わかるのに、どうして、俺は……」
【錫也】「一体、俺はいつまで……、お前のそばにいられるんだろうな……」
苦しそうな錫也の声。何かを悩んでる? 迷っている……?
【錫也】「……俺は何に戸惑っているんだろう…。何に、怯えてるんだろう……。らしくないな…」
髪を撫でられる感触にぴくりと反応すると、錫也が少し強張って手を退けた。