未公開イベント 檜山朔良-成長シナリオ-
『ハロウィンライブに向けて』
※ハロウィン メインシナリオからの一幕になります
――ハロウィンライブ・フライヤー配り当日、喫茶店にて。
【音石夕星】
「さくさく待ってたよ~♪」
【檜山朔良】
「おう。香椎弟から聞いたけど、仮装してフライヤー配るんだってな」
【檜山朔良】
「で、俺の衣装、何?」
【音石夕星】
「さくさくは、これでーす♥」
【檜山朔良】
「……なんだ?」
【音石夕星】
「フランケンシュタインだよ。無垢で狂った愛の怪物」
【檜山朔良】
「えー」
【音石夕星】
「なぁに~?その顔。やだった?」
【檜山朔良】
「もっとかっこいいのが良かった。ヴァンパイアとかドラキュラとか」
【音石夕星】
「ヴァンパイアもドラキュラもほとんど同じじゃん」
【檜山朔良】
「狼男とか」
【音石夕星】
「ぶー。さくさくがそんなこと言うなら、桜の木とかにしてあげてもよかったんだよぉ?」
【音石夕星】
「波に揺られる海草とか、バナナの生えた長い木とかぁ♥」
【檜山朔良】
「完全にお遊戯会」
【音石夕星】
「でもフランケンシュタインはいやなんでしょ?だったら今からその辺にあるものでテキトーに作って――」
【檜山朔良】
「わーい、フランケンシュタイン嬉しー」
【音石夕星】
「真顔かよ。ま、いーや。じゃ、サイズ調整するよ。あ、ちなみに衣装代は200万いただきまぁ~す」
【檜山朔良】
「悪徳業者か」
【音石夕星】
「さくさくの着用済み衣装なら、オークションに出せばそれくらいになるんじゃない?」
【檜山朔良】
「新作のゲームが買えるな」
【音石夕星】
「何本でも買えるでしょ。さくさくってどんなゲームやるの?」
【檜山朔良】
「ホラーゲームとか、モンスター連れてってバトルするやつとか」
【音石夕星】
「あ、それ僕もやってるよぉ」
【檜山朔良】
「マジか。バトルしよーぜ」
【音石夕星】
「今度ね。今はダメ~」
【檜山朔良】
「えー」
【天城成海】
「夕星、お待たせー。あ、檜山さんだ!お疲れ様です!」
【檜山朔良】
「お疲れ」
【音石夕星】
「なるなるきたぁ~。今、ちょうどさくさくの衣装合わせとメイクをするところだよぉ♥」
【檜山朔良】
「メイク?」
【天城成海】
「檜山さんの衣装は……ん~、フランケンシュタイン?」
【音石夕星】
「あったりー♪フランケンシュタインは顔が大事だよ。衣装だけ着ても成立しないでしょ」
【天城成海】
「うわー!きっと迫力のある、かっこいいフランケンシュタインになるんだろうな!」
【音石夕星】
「なるなるは素直な反応が出来るいい子だねぇ♥」
【檜山朔良】
「フランケンシュタインってかっこいいのか……?」
【音石夕星】
「なんか言った?」
【檜山朔良】
「何でもねー。ってかメイクって?そんなのすんの?」
【音石夕星】
「そうだよぉ~、特殊メイクってやつ♥綺麗な肌色のフランケンシュタインなんて見たことないでしょ」
【檜山朔良】
「確かに。音石がやるのか?」
【音石夕星】
「そうだよぉ~。なるなるも後でやってあげるね」
【天城成海】
「うん!檜山さん、夕星すっごく器用だからきっとかっこいいフランケンシュタインにしてもらえますよ!」
【檜山朔良】
「そうか」
【音石夕星】
「ほーら、さくさく。座った座った~」
【檜山朔良】
「分かった」
【音石夕星】
「んー……」
【檜山朔良】
「……」
【音石夕星】
「んんー……」
【檜山朔良】
「……?なあ、じーっと見てっけど、化粧しねぇの?」
【音石夕星】
「…………ハルちゃんは、こういう顔が好きなんだねぇ」
【檜山朔良】
「は?」
【音石夕星】
「なーんか気に入らないなぁ。この機会に、さくさくことめちゃくちゃにしてあげよっかなぁ~~?」
【天城成海】
「ちょっ……夕星が悪い顔してる!先輩に失礼なことをしたらダメだからね!?」
【音石夕星】
「なるなるひっどーい。冗談だってば」
【檜山朔良】
「ドキドキした」
【音石夕星】
「ヤローにときめかれる趣味ないよ。それより、早くなるなるも着替えに行ってきて」
【天城成海】
「わかった。けど……悪いことは絶対にダメだからねー!?」
【音石夕星】
「はいは~い」
【檜山朔良】
「音石、特殊メイクとか得意なのか?普通のメイクとだいぶ違うだろ」
【音石夕星】
「ん~?まあ、絵を描くのとそう変わらないでしょ。さくさく、興味持っちゃったぁ?」
【檜山朔良】
「ああ、特殊メイクなんてそうそう縁ないしな」
【音石夕星】
「ふぅ~ん。それなら……」
【音石夕星】
「せっかくのいいキャンパスだしね。特別にすっごいメイクしてあげる♥」
***
【音石夕星】
「できたぁ~♥」
【檜山朔良】
「疲れた……。動けないのキツい」
【音石夕星】
「お疲れ。はい、鏡。どう?」
【檜山朔良】
「うおっ」
【檜山朔良】
「すげー……ありだわ。ゲームのキャラみてー」
【音石夕星】
「当たり前でしょ。誰がやったと思ってんの?」
【檜山朔良】
「マジですげー」
【天城成海】
「夕星、衣装着れたよ……って、うわっ!?」
【檜山朔良】
「どうかしたか?」
【天城成海】
「ど、どうかしたかって、そそそそそその声……、檜山さんなんですか!?」
【音石夕星】
「あはっ!なるなる、完全に怯えた子犬だよ?」
【檜山朔良】
「あ?」
【天城成海】
「檜山さん、その顔リアルすぎです!本物のゾンビみたい!夕星、普通のに戻して!」
【夕星・朔良】
「えー」
【天城成海】
「こんな顔で街中を歩いたら、街の人達が失神しちゃうよ!」
【音石夕星】
「せっかく上手くできたのにー」
【檜山朔良】
「せっかくかっけー感じにしてもらったのに……」
【天城成海】
「フライヤーを配るのにお客さんが怖がって逃げちゃったら意味がないです。やり直し!」
【夕星・朔良】
「ぶー」
***
――そしてメイクの修正がされたのち、フライヤー配りが開始され……。
【檜山朔良】
「インクル・ナイトメアパーティー、開催しまーす」
【女性A】
「1枚ください!」
【檜山朔良】
「どぞ」
【女性B】
「わー!フランシュタイン、カッコイイですね!」
【檜山朔良】
「ども」
【女性B】
「ハロウィンライブ、絶対に行きますね!」
【???】
「1枚くーださい♪」
【檜山朔良】
「はい……って音石か」
【音石夕星】
「珍し~。さくさくが真面目にやってるー」
【檜山朔良】
「腹減って力が出なくなる前に配り終えねーとだからな」
【音石夕星】
「あはは。さくさくのフランケンシュタイン、怖さは減っちゃったけど、いい感じだねぇ」
【檜山朔良】
「悪くねー。意外にみんなかっこいいって言ってくれる」
【音石夕星】
「へぇ、それなら良かったじゃん」
【音石夕星】
「あ、でももっとハロウィンらしく流血とかさせても良かったなぁ~。傷跡の数増やしてさ」
【檜山朔良】
「次はそれもアリだな」
【音石夕星】
「さくさく乗り気じゃん。もし次があったら、その時は思いっきりメイクしてあげる♥」
【檜山朔良】
「おう。楽しみにしてる。リアルにすげー怖いの、よろしくな」
END