



口が悪く、ちょっとしたことでも怒ってしまう程、気が短い。
だが、気心が知れた相手には、優しさを見せてくれる。
死神になる事にあまり興味がなく、
授業をサボってばかりいたため、特別補習に参加する事に。
けれど、そこでの授業もサボりがちで、
目を離すとすぐにどこかへ行ってしまう。

-
- (飼育小屋の近くまで来ちゃった。まだシュンの姿は見えないな)
- 【ユユ】「……あ! いたよ、あそこ!」
- 【ココロ】「えっ? ……あ!」
- 見ると、大きな木の根元に、誰かが腰掛けている後ろ姿が見えた。
- (あれは……シュンだ。一体何をして……)
- (……って、あれ?)
- (……フクロウ??)
- たくさんのフクロウに囲まれたシュンを見て、わたしは息を飲んだ。
- (あんなにたくさんのフクロウが、シュンを取り囲んでる。すごい……!)
- 【ユユ】「すごい! シュン、フクロウにモテモテだね」
- 【ココロ】「うん、そうだね」
- 手の中にいるフクロウに向けるまなざしは、優しくて見たことのないもの。
- 意地悪さの欠片も見いだせない。
- (シュンって、こんな顔もできるんだ? 初めて見た……)
- さっきまで、シュンのことを怒っていたのに、それもすっかり忘れて軽く感動してしまう。
- (いいなぁ~、わたしも、あんな風にたくさんのフクロウに囲まれてみたいな)
- おとぎ話のようなその光景の中に入りたくなって、つい声をかける。
- 【ココロ】「ねぇ、シュン!」
- 【ユユ】「おーい、シュン!」
- 【シュン】「わっ!? ……な、なんだ、お前らかよ! 驚かすんじゃねーよ」
- 【ココロ】「ごめんごめん、驚かせるつもりはなかったんだよ。それにしても……可愛い子だね~!」
- シュンが抱いているフクロウを見ながら、わたしは感動の声を上げる。
- (あれ? でも……なんだか哀しそう)
- フクロウの顔を覗きこむと、まんまるな金色の目が、わたしを不安そうに見上げてる。
- 【シュン】「こいつは事情があるんだ。……ほら」
- わずかに羽を動かすフクロウ。
- すると、その羽は妙な方向に曲がってしまっていた。
- (もしかして、羽が……?)