死神彼氏シリーズ | 公式ブログ

1月9日はヨルの誕生日でした!

2017年01月10日 更新

こんにちは~!
『死神彼氏シリーズ』ディレクターの高木です。


記念すべき新年一発目のブログです!
……なんですが、年のはじめから今日まで〆切に追われていた高木は
現在あんまり頭が働いてない状態なので、ご挨拶も手短に……(笑)


新年あけましておめでとうございます!!

今年も死神彼氏のみんなをたくさん愛してもらえると嬉しいです!
よろしくお願いします!

さて! ここでお知らせがあります!

PS Vita版リバソンが無事に発売したということで、
死神ブログは本来の不定期更新に戻りたいと思います。

終了するわけではありません!!
月1ぐらいの更新を目指して今後もまったり死神彼氏シリーズのご紹介をしていく予定ですので、
たま~に覗いてみてもらえると嬉しいです!


それでは死神ブログ第93回、いってみましょう。


-------


昨日、1月9日はリバソン組・ヨルの誕生日でした!

+. +. *:Happy Birthday +. +. *:


というわけで、今回もお誕生日を記念して
ヨルのちょっとしたお話をご用意させてもらいました。

時間軸は生前→死神エンド後日談という感じです。
相変わらず誕生日にまったく関係のない内容なのはご愛嬌ということで……(笑)

そして相変わらず容赦ない本編ネタバレを含むお話ですので、
ぜひ、ヨルルートをクリアした後にご覧になってくださいね!


※ヨルルートのネタバレを含みますのでお気を付けください!


それでは、追記からどうぞ~!

*:..:**:..:**:..:**:..:**:..:**:..:**:..:**:..:


「夜ー、おはよう!」

俺の幼なじみ――『心』は、いつもの調子で勝手に俺の家に上がり込んできては、満面の笑みを向けてきた。

「おはよう……の前に、するべき挨拶があるだろ?」
「あ、そっか。えっと……」

「夜、新年あけましておめでとうございます!」
「ああ、おめでとう」

お互いに軽く頭を下げて、ふっと笑い合う。


――今日は元日。1年のはじまりの日だ。


* * * * * * * * *


コートに着替え、2人で寒空の下を歩いていく。
向かう先は、初詣お決まりの神社。

「夜と一緒に初詣に行くの、もうこれで何度目になるかなぁ」
「さあ……毎年の習慣だからな。もう10回以上になるんじゃないか?」
「10回!? すごいね! わたし達、もうそんなに新年を一緒に過ごしてるんだ」
「そうだな……」

他愛もない話をしながら歩いていると、目的地に辿り着くのはあっという間。
毎年、心とともに訪れるこの神社は、今年もやっぱり参拝客でごった返している。

「うわ~……毎年のことながら、ものすごい人ごみだねぇ。
 飲み込まれたら夜とはぐれちゃいそう」

そんな境内を眺めながら、心は毎年お決まりのセリフを口にする。

「ほら」

そんな彼女に、片手を差し出す。
すると心は、毎年決まって……

「ありがとう!」

明るい笑みとともに、俺の手をぎゅっと握りしめるのだ。


手を繋ぎながら参拝客の列に並んで、お参りをして、おみくじを引いて、また手を繋いで……。
もう何年と2人で築いてきた、お決まりの、変わらない新年の過ごし方。

その心地よさに浸っていると、片手からふっとぬくもりが消えた。

「もうだいぶ人が減ったから大丈夫だよ。
 今年も引っ張っていってくれてありがとう、夜」

心はそう言って、両手をぶらつかせながら1人で勝手に歩き出す。
初詣も無事に終わったので、あとは家に帰るだけだ。

(変わったことと言えば……手を繋ぐ時間が短くなったこと、か)

小学生ぐらいの頃までは、初詣のために家を出た時から帰ってくるまで、こいつはずっと俺の手を離さなかった。

でも、中学に上がって……お互い思春期だったこともあり、
『手を繋ぐのは人ごみの中でだけ』という暗黙のルールが出来上がった。
そのルールが、高校生になった今でも引き継がれている……というわけだ。

それを少し寂しくは思うけれど……まあ、仕方ないことだろう。
俺達は別に、付き合ってるわけでも何でもない、ただの幼なじみなんだから。

(そう考えると、おかしな状況だよな。
 はぐれないためとはいえ、年頃の男女が手を繋いで歩くなんて……)

そんな事を悶々と考えていると、心がにゅっと顔を覗き込んできた。

「な、なんだ?」
「なんだ、はこっちの台詞だよ。
 夜は初詣で何をお願いしてきたのって聞いてたのに、ぼーっとしてさ」
「ああ……そうだったのか」
「まあ、夜のお願いは分かってるけどね。
 家内安全、無病息災、学力向上……でしょ?」
「……まあ、そんなところだな」

頷くと、「やっぱりね!」と得意気な笑みを浮かべる心。
……何の代わり映えもしない男だと思われているようで、ちょっと悔しくもある。

「そう言うお前は、どんな願をかけてきたんだ?」
「今年も1年楽しくハッピーに過ごせますようにって!」
「随分アバウトだな……」
「夜がかたくるしいんだよ~」

そう言って、また笑う。新年早々、笑顔の絶えないやつだ。
真面目で固くて無愛想、と友人達によくなじられる俺とは大違い。

(……何もかも違うから、惹かれるんだろうな)

心が笑うたび、俺の胸にあたたかなものが広がる。
そして……俺はこいつに恋をしているんだと、くるしいぐらい、何度も気付かされるんだ。

(……それにしても……願掛け、か)

俺が神前で願ったことは、実は心の予想とは違う。
それは、心が到底思いつきもしないであろうこと。

――今年こそ、心に告白します。だから、力を貸してください。


(俺がそんなことを願ってたなんて、こいつは夢にも思わないんだろうな……)

あまりの望みの薄さに、自嘲が零れる。

本当は、行動なんて起こさない方がいいのかもしれない。
変わらない、付かず離れずの今の距離感を保ち続けていた方が、絶対に平和だ。

ヘタに踏み込んで、拒まれて……
俺達の幼なじみとしての関係が壊れてしまう可能性も、十分あり得るのだから。

でも――。

「わっ!?」

気付くと、俺の視界から突然心の姿が消える。
……と思ったら、思い切りその場に転がっていた。

「……何をやってるんだ? お前は」
「あ、あはは……コケちゃった」

やれやれ……とため息をついて、心に手を差し伸べる。
そのまま引っ張り上げてやると、こいつは「ごめんね」と苦笑を浮かべた。

「よそ見して喋りながら歩いてるからだぞ。ちゃんと前を気にして歩け」
「はい、ごめんなさい」
「反省してるか?」
「うん」
「なら良し」

……と、そこでふと気付く。

俺の手が、心の手を掴んだままなことに。

(しまった、離しそびれたな……)

心も同じことに気付いたのか、握り合った手にちらちらと視線を向けている。
ふりほどくべきか? と考えていると……。

「あ、あのね、夜」
「ん?」
「たまにはさ、その……
 家に着くまでこのままでもいいかな、って思うんだけど……どうかな?」
「……? このままって?」
「だ、だから……っ!」

心は言葉を続ける代わりに、ぎゅうぅ、と繋いだ手に力を込めてくる。

「……痛いぞ」
「あっ、ごめん!」

文句を言うと、あわててパッと手を離す心。
そのままポケットの中に隠されそうになった小さな手を、今度は俺の手が掴まえた。

「よ、夜? いいの? 手、繋いでも……」

(それはこっちの台詞だ)

そう言いたいのを、ぐっと堪えて……。

「……行くぞ」

その手を握り締めたまま、歩き出した。

もしも俺の顔が赤くなっているのに気付かれたら、困る。
そう考えていた俺は、家に着くまでの間、ずっと心よりも一歩先を歩いていて……。

だから、気付かなかった。
俺の後ろで、心が同じ顔をしていたことに。

(……やっぱり、俺はもっと心に近付きたい)

幼なじみを越えた関係になりたい。

この手のぬくもりだけでなく、心のすべてを、俺が独占したいから……。

(来年の初詣には、俺達はどんな関係になってるんだろうな……)

どうか、俺の理想のかたちになっているといい。

そんなことを願いながら、俺達は家までの道のりを、
いつもよりたっぷり時間を掛けて歩いていったのだった。


* * * * * * * * *


「今年も大変な1年だったねぇ……」
「なんだ、その年寄りのような言い草は」
「1年の思い出を振り返ってるんだよ~」

時は巡って、12月31日。
世界は……冥府。

夕飯も寝支度も済ませ、あとは新年を迎えるだけ……となった俺達は、
リビングのソファに2人並んで腰掛け、のんびりとした時間を過ごしていた。

「無事に死神養成学校を卒業して、死神になって……
 充実してた分、あっという間だったな~って」
「確かにそうだな……」

色々なことがあった。

『心』を見つけて……もう一度、恋をして。
この世界で一緒にいようと、約束をして。
死神になって、2人だけの暮らしが始まって……。

「……まさか、お前とこんな形で新年を迎えることになるとはな」
「本当だね。近所の神社に初詣するのがお決まりの過ごし方だったのに……」

しみじみとしていたこいつだが、突然「あ!」と声を上げる。

「そういえば、今年のお正月は色々あってそれどころじゃなかったけど……
 冥府には初詣って習慣がないのかな?
 神社なんてないし、お参りもしないのかな?」
「……お参りも何も……俺達自身も一応、神だしな。神が神に何かを願ってどうする」
「あ、そっか!」

こいつは納得したように、とポンと手を打つ。
いちいち楽しそうなリアクションをするので、見ているだけで面白い。

……などと感心していると、こいつは突然、俺の手を取った。

「じゃあ、これからわたしは、ヨルに新年のお願いをすることにしようかな」
「俺に?」
「うん。だってヨルはわたしの神様みたいなものだからね。
 わたしを支え続けてくれる、大事な人だもん」

そう言って、俺の右手を両手で包み込んでくる。

触れた箇所から、こいつの『幸せ』な感情が伝わってきて、思わず鼓動が跳ねる。

「あ、いま、ヨルがドキドキしてるの伝わってきた」
「っ、お、お前の感情だって……伝わってるぞ」
「ふふ、そっか。おそろいだね」

微笑むこいつにふてくされた気持ちになっていると、時計の針が動いた音に気付く。

「あ、年明けだ! よし、お願いするぞ~」

こいつは俺の手を強い力で包み込むと、固く目を閉じ、何かをお願いし始める。

しばらくそうしていたと思ったら、「よし!」と顔を上げた。

「ものすごい形相だったが……何をそこまで必死にお願いしていたんだ?」
「え~? ヨル、神様なのにわからないの?」
「わかるか。ちゃんと伝わるように、言葉にして言え」
「……それは……」

するとこいつは、視線をふよふよと宙に泳がせ始めた。
……頬もなんだか赤く染まっている。

(もしかして……)

「……お前の願い、なんだか分かった気がする」
「え!? そ、そうなの? どうして?」
「さあ……どうしてだろうな。神様だからじゃないか?」
「……ヨル神様、すごい……」

どうやらこいつは心底驚いているらしい。
キラキラとした眼差しで見つめられ、思わず噴き出しそうになってしまった。

(……変わらないな)


小さな頃から、こいつはずっと俺をそんな目で見てくれていた。
『一つ年上の、頼れる幼なじみ』……そのポジションにいる俺に、憧れを抱いてくれた。

それは、冥府で再会した時も変わらなくて……
死神養成学校で過ごした間も、ずっと俺の後をついてきてくれた。

いつも笑顔で、何かしてやるたびに「すごい」と褒めてくれて……
そんな眼差しを送られるたび、
こいつのためにもっと強くなりたい、しっかりした存在になりたい、と願ったものだった。

……今の俺を形づくってくれたのは、こいつだ。

生きていた時も、命を落とした後も……
こいつの存在が俺の支えで、救いで、希望だった。


だから……そんなこいつの願いなら、俺は何でも叶えてやりたい。
願いの内容が、俺に関わることであるなら、なおさら。

「……察しはしたが、お前の口から聞きたい。お前の願いを。言ってみろ」

空いた方の手で、こいつの赤く染まった頬を撫でる。
するとこいつは、おそるおそるといった様子で口を開ける。

「……今年も、たくさんヨルと仲良くしたい。
 ずっと一緒にいたい。ヨルの、一番近くにいたいの」

何よりも大切な存在が、まっすぐに俺を求めてくれる。

その幸福に、これまでの様々な苦労が込み上げてきて……少し泣きたくなる。

それを、ぐっと押し留めて……。

「俺もだよ。……今年も、その先も、ずっとお前のそばにいたい」

言葉とともに、キスを贈る。

額に、頬に、そして唇に。

柔らかい肌に何度も唇で触れながら、こいつの身体をソファに倒す。
それから、もう一度触れようとすると……。

「――あ!!」

突然声を張り上げられ、ガクッと肩を落とす。

「……なんだ?」
「大変だよ、ヨル。年が明けたのに、新年のあいさつが出来てないよ」
「ああ……そう言えばそうだったな」
「でしょ? だから……」

「ヨル、新年あけましておめでとうございます!」

俺を見上げながら、相変わらずの満面の笑みを浮かべるこいつ。

その変わらない無邪気さに安らぐ一方で、
ムードを壊されたことにどこか悔しい気持ちもあって……。

「…………」
「ヨル? ――っ!? ~~~~~…………っっ!!??」

……『おめでとう』の代わりに、いつもより長めのキスを贈ってやった。

*:..:**:..:**:..:**:..:**:..:**:..:**:..:**:..:

以上、ヨルのSSでした!
改めてヨル、誕生日おめでとう!


それでは~!

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