死神彼氏シリーズ | 公式ブログ

本日7月12日はカイリの誕生日です!

2016年07月12日 更新

こんにちは~!
『死神彼氏シリーズ』ディレクターの高木です。


本日7月12日は、リバソン組・カイリの誕生日になります!

というわけで、今回の死神ブログでも
カイリのちょっとしたお話を用意しておりますので、
楽しんでもらえたら嬉しいなあと思います。


そして! 今回はちょこっとお知らせがあります!



お知らせ① 不定期更新になります!

『隔週火曜日更新』を掲げていたこの死神ブログでしたが……
制作を理由にあまりにも更新をぶっ飛ばし続けていたところ、
「そろそろ不定期更新に名前を変えてくれ」というお達しが来たので(笑)
本日から死神ブログは不定期更新になります!!

とはいえ、隔週から名前が変わるだけで、これからも今と同じくらいの頻度で
そろそろ~っと火曜日に出没する予定ですので、
気がついた時にでも覗いてみてもらえると幸いです。
今後もお付き合いよろしくお願いします!
細々続けているブログですが、まだ当分終わりません!(笑)


お知らせ② 7月20日発売の『B’s-LOG9月号』見てね!!

いきなり何のこっちゃいという話ですが、とにかく見てください!
7月20日発売の『B’s-LOG9月号』をよろしくお願いします!!



……とまあなんだか微妙な内容のお知らせでしたが(笑)、
とにかく今月発売のB’s-LOGを見て欲しい旨が伝われば十分です!
20日(水)発売です!! よろしくお願いします!!


……ハイ! というわけで言いたいことも言えたことですし(笑)、
死神ブログ第73回、いってみましょう。


-------




死神彼氏シリーズとは
本編である『Re:BIRTHDAY SONG~恋を唄う死神~』と、
番外編である『Un:BIRTHDAY SONG~愛を唄う死神~』の、
2つのタイトルのゲーム作品で展開される物語となっております。
(※ハードはどちらもPCです)

読み方はそれぞれ、『リバースデーソング』『アンバースデーソング』と読みます。
制作陣は本編をリバソン、番外編をアバソンと呼んでおります。
みなさんもその略称で呼んでいただけると嬉しいです!


冒頭でも言った通り、本日7月12日はリバソン組・カイリの誕生日です!


+. +. *:Happy Birthday +. +. *:


というわけで、前回のアメと同様、
カイリのちょっとしたお話をご用意させてもらいました。

時間軸は生前→冥府入りしたての頃→死神エンド後日談という感じです。
この時間軸があっちこっちに飛びまくってる感じが、
いかにも高木が趣味で書いてる感満載ですね……(笑)。

今回も楽しく書かせてもらいました!
そして今回も誕生日にはまったく関係のない内容です!(笑)
ゆるーく楽しんでもらえたら嬉しいなあと思います。


※カイリルートのネタバレを含みますのでお気を付けください!


それでは、追記からどうぞ~!

*:..:**:..:**:..:**:..:**:..:**:..:**:..:**:..:


――1年の折り返しを過ぎたばかりの、7月半ば。

「あっぢぃ~……」
「溶ける~……」
中学校からの帰り道。
俺の数歩前を歩く同級生2人は、すっかりこのうだるような暑さにやられてしまっていた。
コンビニでつい先ほど買ったばかりのアイスを咥えながら、
2人はただひたすらに呻き声を上げ続けている。
「夏なんて良い事ないよなあ。暑さのせいで、部活のしんどさも5割増しだし」
「な~。おかげでテスト勉強も身が入らなくて、赤点ばっかだったしさ」
「それはお前がやる気なかっただけだろ」
「バレたか!」
ははは、と楽しげに笑い合う2人。
その様子をぼんやりと見つめていると、不意に彼らの視線がこちらに向いた。
「けど、拓海は平気そうだよな」
「……え? 何が?」
話半分にしか聞いていなかった俺が首を傾げると、2人は肩をすくめた。
「暑さの話。拓海ってさ、いつもクールな顔してるじゃん? 汗の一滴もかかずにさ」
「そーそー。プールの授業も毎回見学してさ。
 あんなバカみてーに暑いプールサイドで涼しげな顔していられるなんて、スゲーよ、信じらんねーよ」
「な! 女子からも『天里君って儚げでかっこ良い❤』なんて言われてるしよ~」
「そう言えば、拓海ってなんでプール毎回見学してるんだっけ?」
「それはアレだよ、拓海は大のつくカナヅチなんだって。前に言ってただろ?」
「ああ、そうだった!」
俺が口を挟む間もなく、会話はポンポンと勝手に進んでいく。

――別に、俺は夏の暑さが平気なわけではない。

今だってこのうだるような暑さにやられて倒れ込みそうになっているし、
制服のシャツの下は汗でべとべとだ。
それでも2人曰く『クールな顔』に見えるのは、単に感情を表に出すことが面倒だからというだけの話だ。


けれどそれを説明するのもやっぱり面倒なので、俺は黙って2人の会話の行く末を見守る。


俺の日常なんて、大体いつもそんな感じだ。
流れに身を任せ、俺という『個』を押し殺す。
そうしていれば、時間はとても無難に過ぎていく。
そんな日常は楽しくも何ともないけれど、逆に言えば辛い事も悲しい事もない。
多くを望まなければ、傷付く事もないのだ。

「……じゃあさ! 夏休みになったら、みんなでプールに行こうぜ。
 それで、拓海が泳げるように特訓だ!」
「あ、それいいな!」
「え?」
ぼんやりしている間にまた話が思わぬ方向に進んでいて、俺は珍しく焦った。
「い、いや……いいよ、それは」
「何でだよ? お前だって、ちゃんと泳げるようになった方がいいだろ?」
「いや、本当にいいんだって。俺のカナヅチっぷりは手の施しようがないから」
「ふーん? そこまで頑なにされると、ますます意地でも泳がせたくなるな~」
「じゃあ、今年の夏休みの目標は拓海を50メートル以上泳げるようにする、に決定な!」
「おう、賛成――」
「いいって言ってるだろ!!」
自分でも予期せず、大きな声が出てしまった。
ぽかんと俺を見つめる2人。
手にしていたアイスが溶け落ち、アスファルトの地面にぽたりとシミをつくった。
(……まずい)
俺は息を吐きながら、慎重に言葉を選んだ。
「その……本当に良いんだ。もう、諦めてるから」
「……そ、そっか」
「な、なんか……ゴメンな」
謝罪を口にしながら、目を泳がせる2人。
そして、この微妙な空気を打ち消そうとしているかのように、
更にテンポを上げて会話を繰り広げていく。
俺はその会話を右から左に受け流しながら、
あの溶け落ちたアイスは蟻のエサにでもなるのかなあ、等とどうでもいい事を思った。


その後2人と別れた俺は、まっすぐ帰宅する。
ただいま、は言わない。誰もいない部屋に挨拶なんて無意味だ。

汗まみれになったシャツを洗濯機の中に脱ぎ捨てると、
洗面台の鏡に自分の身体が映り込んだ。


別に、俺はカナヅチではない。
50メートルなんて、小学生の頃にすでに泳げるようになっている。
それでも頑なに拒むのは、単にこの身体を誰にも見られたくないだけだ。


――この、父親の怒りの捌け口となった、痣だらけの身体を。


* * * * *


俺が冥府に来たばかりの頃――つまり、『天里拓海』が死んで間もない頃。
何かと世話を焼いてくれる死神・ゼンにアイスを奢られていた俺は、
そんな生前の思い出話を口にした。

なんで先輩にアイスを奢られるハメになったかと言うと、
ある日突然「たまには先輩が何か奢ってやる」と言い出したゼンが、
死神養成学校に編入したてで忙しくしている俺を、無理やり街に連れ出したからだ。

「何か食べたいものはねーの? 欲しいものは?」とゼンに聞かれたものの、
特に何も思いつかなかった俺は、適当に目に入ったアイスを選んだ。それだけだ。


「……あの時、俺も本当はアイスが食べたかったんだけどさ。
 そんな無駄遣い出来るほどの小遣いなんてなかったから、言えなかったんだよな」
コーンの上に二段重ねになったアイスを舐めながら俺が言うと、ゼンはうざったそうに俺を見た。
「そんなしょうもねえ話をオレに聞かせて、どうすんだよ。オチは?」
「何もないよ。アイスを見てたら思い出したから、話しただけ」
「思いつきでそんな暗い話すんなよ……。アイスがマズくなるだろ」
「ゼンならそう言って、適当に聞き流してくれると思ったんだよ」
心からの賛辞だったつもりだけれど、ゼンは嫌そうに眉間にシワを寄せ、
チョコアイスをまるごと頬張った。

俺といるといつもこんな顔をする癖に、ゼンはこうして俺のことを気に掛けてくれる。
この世界で1人きりの俺にとって、ゼンはそれなりにありがたい存在だった。
だからつい、余計な事も喋ってしまう。

「俺、苦手なんだ。自分の要求や願望を口にするの」
「何でだ?」
「うーん……叶ったためしがないから、かな」
俺は苦笑を浮かべながら、肩をすくめた。

もう随分長いこと、俺はなるべく周りに波風立てないように生きてきた。
自分の感情を殺して、殺して……そうしてるうちに、感情を出すのが苦手になった。
欲しいものを口にするなんて、もっと苦手だ。
叶わなかった時の虚しさをもう体験したくないし、
俺の願いを他人がどう思うのか、知るのが怖いから。

そんな想いを口にすると、ゼンは「それでも」と言葉を挟みこんできた。
「それでも叶ったじゃねーか。お前の要求」
「え?」
ゼンは、俺の持っているアイスを指で示す。
「……確かに叶ったけど。数年越しに、それも死んでから叶ってもなあ」
「うっせ。とにかく、だ。要求も願望も、言える時に言いまくっておけよ。
 そうしたら、気付いた誰かが力を貸してくれるかもしれねえしさ」
「そうかもしれないけど……」
やりたい放題喚き散らしているゼンに、
パートナーであるリッカが心底不快そうにため息を吐く……という
いつもの2人の光景が思い出されて、素直に頷けない。

けれど、ゼンの表情は真剣だった。


「はじめから叶うことが約束されてる願いなんて、少ない。
 けど、そこで怯えてたら始まらねえ。
 願いを叶えるために、一つ一つ、
 可能性を自分で増やしていく事が大事なんじゃねーの」


どこか遠くを見るようにぼやくゼン。
まるで他人事のように聞こえるのは、俺のために口にしている言葉だからだろうか。


「……じゃあ、ゼンの願いは?」
「ん?」
「ゼンにも、何かあるんじゃないのか? 叶えたいものが」
「…………」
俺の問いに、ゼンは黙り込む。
その横顔をじっと観察していると、不意に大きな手がこちらに伸びてきて、
俺の髪をぐしゃぐしゃにかき回した。
「ちょっ、ゼン!?」
「オレの願いは、この根暗な後輩が、さっさと一人前になることだな。
 まっ、このオレ様を超える死神にはなれねぇだろうけどよ!」
「い、痛いって、ゼン!」
ゼンはケラケラと笑いながら、俺から手を離す。
「さーてと、アイスも食い終わっちまったし……オレ、もうお前に構うのやめるわ」
「え? 何だよ、いきなり……」
「あんまり構うと、お前、オレに甘えて努力を怠るだろ。ここからは1人でもがいてみろ。
 この先、お前はこの世界で1人で暮らしていくんだ。途方もない時間をな。
 そのための力を、あの学校で手に入れろ。いいな」
「…………」
ゼンの言葉には、有無を言わせぬ圧があった。
俺が頷くと、ゼンは安堵したように微笑む。
「それでいい」と、呟きながら。

結局、ゼンの一番の願いは教えてもらえなかった。
願いを口にしろと言いながら自分は教えてくれないんだから、先輩っていう存在はズルいもんだ。


でも、『願いを叶えるための努力』というものには心惹かれるものがあった。
うんと小さな頃、将来に希望を抱いていた時のことを思い出す。

そして……俺の夢の話を、まるでひまわりみたいな
キラキラの笑顔で聞いてくれた『彼女』のことを。


現世ではとっくに諦め、捨ててしまった願い。
それを、もう一度手にしていいと言うのなら。


それならば、俺は――……


「……なあ、ゼン。俺さ、アイス以上に欲しいものがあるんだ」
「へぇ、なんだ?」
「ゼンよりも偉い死神の権力!」
「ハッ、うっぜぇ!」
そう言いながらも、ゼンは心底愉快そうにゲラゲラと笑っていた。


* * * * *


「――うわっ!?」

真正面から、思い切り水をぶっかけられた。

あまりにも突然のことに俺がポカンとしていると、あいつがひょっこりと顔を覗き込んできた。

「カイリ、びっくりした?」
「な、なんだ? 今のは……」
「カイリが立ったままぼんやりしてるから、びっくりさせようと思って。
 いつものイタズラの仕返しだよ~」

得意気に微笑むこいつの手には、俺のお手製の水鉄砲が。
どうやら先ほどの水爆弾の犯人はこいつだったらしい。
かけられた冷水に頭が冷えていくのを感じると同時に、俺は少しずつ現状を思い出した。


――死神養成学校を無事に卒業し、死神となった俺達。
忙しい死神生活を送っている中、せっかくの休みをもぎ取ったというのに、
今日は年間通して寒暖差の少ない冥府にしては珍しい猛暑。
そこで涼を求めた俺達は、学校裏の森にある湖まで水遊びをしに来た……というわけだ。

そうしてはしゃいでいるうちに、俺は随分長い白昼夢に囚われてしまっていたらしい。


「……ご、ごめん。やっぱりやり過ぎだったかな? ごめんね!」
黙ったままの俺を見て、怒っていると思ったのか、こいつがあわてて何度も謝ってくる。
必死な様子がおかしくて、俺はつい噴き出してしまった。
「悪い、何でもないんだ。久しぶりの暑さで、頭がぼんやりしてただけ。
 お前のおかげで、むしろ頭がスッキリしたよ」
「そ、そう? それなら良いんだけど……」
安堵の息をつくこいつに微笑みながら、俺は濡れたシャツを脱ぎ捨てた。

露わになる肌。
けれど、戒めのように父親からつけられた無数の痣達は、もうそこにはない。


それを確かめるように、自分の腹の辺りを軽く撫でさすっていると、
隣にいたこいつが顔を真っ赤にさせている事に気付いた。
「か、か、カイリ! いきなり脱がないでよ、もうっ……!」
何事にも鈍感なこいつだけど、
男の身体を見て恥ずかしいと思う神経は備えていたらしい。
(……いや、相手が俺だから……かな?)
思い上がりかもしれないけれど、そう考えるとむしょうに楽しい気持ちになる。
俺はあいつの腕を掴むと、そのまま自分の胸元に引き寄せた。
「か、カイリ!? 何を……っ」
「せっかく遊びに来たんだから、ぼーっとしてないで楽しまないとな!
 ――それっ!」
「きゃあっ!?」


――ドポンッ!! 
という派手な水音とともに、俺はこいつを抱きしめたまま、湖にダイブした。


水中で目を開けると、こいつは少しでも離れるまいと、俺に必死にしがみついていた。
その懸命さが愛おしくて、小さな身体を強く抱きしめる。
そして俺は、こいつを片手に抱いたまま、水面に向かって水をかき分けていった。


水から顔を出すと、こいつはぷはっと大きく息を吸い込む。
「大丈夫か?」
「らい……ひょーふ……」
ひとしきり酸素を取り込んで体力を回復させると、
こいつはぶすっとした顔で俺を睨みつけてきた。
「カイリ! 飛び込むなら先に言ってよ、もう~!」
「ははは! 悪い悪い。でも、楽しかっただろ?」
「そ、それは……っ、で、でも! もうダメなんだからね!」
ぽすぽすと俺の胸を叩いて、抗議するこいつ。
真面目に叱られているのだとは分かっているのだけれど、
こうして怒る姿すら愛しくなってしまうのだから、俺はもう病気なのかもしれない。


――冥府に来て、学校に通うようになって、やりたい事は全部やってきた。
人と関わる事への恐れを捨てて、とにかく積極的に他人と関わった。
欲しいものは欲しいと、素直に言うようにしてきた。


その結果、俺はたくさんのものを手に入れた。
たくさんの友達、知人、特別補習組の仲間、そして――恋人。


失ったものもたくさんあったけれど、それでも結果として……
今、俺は幸せだ。


気持ちを正直に口にする事で幸せを生み出せるというのなら、
俺はこれからも、自分の思ったことはどんどん主張していこう。

そう、心に決めて――……


「大好きだよ」


現世も冥府もひっくるめて、世界で一番可愛い恋人に、
思っていることそのままの気持ちを伝えた。

「え……え? カイリ、あの……」
突然の告白にキョトンとしているこいつの濡れた前髪をかき分け、
露わになった額にキスをする。
するとみるみるうちに、こいつの頬が赤に染まっていった。
「はは! お前は本当にいちいち反応が可愛いなあ」
「も、もう……!! カイリは本当にやりたい放題なんだからっ」
「それは仕方ないよ。だって、それが俺なんだからさ!」
俺が笑顔を向けると、こいつは困ったように眉間に唇を尖らせたけれど……
それでもやっぱり最後には、「仕方ないなあ」と、とびきりの笑顔を返してくれた。


俺の大好きな、ひまわりみたいな笑顔で。


*:..:**:..:**:..:**:..:**:..:**:..:**:..:**:..:


以上、カイリのSSでした!
改めて、誕生日おめでとう、カイリ!


それでは~!

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レクイエム――
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