死神彼氏シリーズ | 公式ブログ

6月3日はアメの誕生日でした!

2016年06月21日 更新

こんにちは~!
『死神彼氏シリーズ』ディレクターの高木です。


ま、またしてもブログの更新の間隔が空いてしまいました……すみません!!
相変わらず制作でてんやわんや+家の引っ越し作業に追われていました……
と、必死に言いわけを挟みこむ高木です(笑)。
環境も変わったところなので、気持ちを切り替えてこれからも制作がんばります!


それでは死神ブログ第72回、いってみましょう。


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死神彼氏シリーズとは
本編である『Re:BIRTHDAY SONG~恋を唄う死神~』と、
番外編である『Un:BIRTHDAY SONG~愛を唄う死神~』の、
2つのタイトルのゲーム作品で展開される物語となっております。
(※ハードはどちらもPCです)

読み方はそれぞれ、『リバースデーソング』『アンバースデーソング』と読みます。
制作陣は本編をリバソン、番外編をアバソンと呼んでおります。
みなさんもその略称で呼んでいただけると嬉しいです!


さてさて、6月3日はリバソン組のアメの誕生日でした!



+. +. *:Happy Birthday +. +. *:


死神彼氏達の誕生日のお祝いをするのも、早いものでこれで3周目となりました!
わ~いなんだか嬉しいぞ! このブログももう相当長いものになりましたね!(笑)


というわけで、今回のブログではアメのちょっとしたお話をご用意させてもらいました。
内容は本編6月ぐらい(生楽祭が終わった後)のお話&後日談という感じです。
ちなみに誕生日とはまったく関係のない内容です……(笑)。


※アメルートのネタバレを含みますのでお気を付けください!


それでは、追記からどうぞ~!

*:..:**:..:**:..:**:..:**:..:**:..:**:..:**:..:


『6月だし、浴衣を着て紫陽花を見に行ってみよう!』
……と、ある日突然言い出してきたのはカイリさんだった。
しかもどこから調達してきたのか、しっかり人数分の浴衣を一式用意してきたというのだから、抜け目がない。
そこまでされたら断る理由もない……というわけで、僕達特別補習組のメンバーは、浴衣に袖を通すことになった。


(浴衣なんて久しぶりだな)
冥府に来てからは洋服しか着用してこなかったので、僕にとっておよそ百数年ぶりの和服だ。
けれど着方はきちんと身体が覚えているもので、難なく着ることが出来た。
それでも一応、乱れがないか鏡で自分の姿を確認する。
こうして和服を着ている自分は、まだ生きていた頃の姿となんら変わりなく見える。
実際には、もう数えきれないほどの年数が経過しているというのに。


自分の家族を、僕は冥府で見たことがない。
ただひとり、僕の家ととても親密な関係にあったとある人物を除いて。
きっとみんな、正しい転生の環に溶け込むことが出来たのだろう。
こんな、何百年と同じ姿のまま冥府に居座り続ける、僕と違って。


――冥府に取り残された亡霊。


そんな言葉がふっと頭に浮かんで、ぐらりと眩暈がする。
(……僕だって、好きでこんなところにいるわけじゃないのに)
むしろ、こんなところに取り残されたことを迷惑だとすら感じているのに。

するとそこで、階下からカイリさんが「アメ!」と僕を呼ぶ声が聞こえた。
僕は頭を振って気持ちを切り替えると、部屋を後にした。


一階のリビングに降りると、ユユも含めた男性陣4人がこぞって浴衣と奮闘していた。
カイリさんとシュン、そしてユユは腰紐が緩んで衿がたわんでしまっているし、
ヨルさんにいたっては、着付けの参考資料に釘付けになっていて、浴衣に袖を通してすらいない。
「この通り、俺達じゃうまく着られなくてさ。助けてくれないか?」
「助けて~、アメ~……」
「……勉強不足ですまない」
苦笑を浮かべるカイリさんと、しょんぼり顔のユユ、そして心底悔しそうなヨルさん。
「良いですよ。僕が教えます」
頷くと、ケッという舌打ちの音が聞こえる。シュンだ。
「オレはちゃんと着られてるだろ」
「どこがですか。シュンの着方が一番汚いですよ。そのままじゃ浴衣が皺になります」
悪態をつくシュンから無理やり浴衣を脱がせ、僕は1人1人に着付けを指導していった。


「……ところで、あいつはまだ降りてこないのか?」
最後、カイリさんの着付けを終えたところで、ヨルさんがそう呟いた。
「そう言えば、そうだな。自分の部屋で着替えてるはずだけど……」
「あいつが着付けなんて出来るとは思えねーな。
 おおかたうまく着られなくて、今ごろ部屋でヒーヒー喚いてるんじゃねーの?」
(……そうかもしれない)
シュンの指摘に、僕等はそろって同意する。
「アメ、ちょっとあいつの様子見てきてやってくれないか?」
「え、僕ですか?」
カイリさんの頼みに、思わずキョトンと目を見張る。
「さすがに女子が着替えてるところに俺達がぞろぞろ行くのはな~」
「まあ……そうだな。一番着方をわかっているアメが1人で行くのが良いだろう。
 頼む、アメ」
「はあ……」
カイリさんとヨルさんに促され、僕は仕方なく彼女の部屋へと向かった。


彼女の扉の前に立ち、コンコンと数回ノックする。
すると、「はーい」といういつも通りの声が返ってきて、僕は内心驚いた。
(浴衣が着られなくて困っているんじゃないのかな……?)
首を傾げていると、ガチャリと扉が開く。
「お待たせ、アメ!」
目の前に現れたのは、淡い桃色の浴衣に身を包んだ彼女。
見たところ、浴衣に乱れはなさそうだ。
「……浴衣、1人で着られたんですね」
「うん! 何でだろうね。浴衣を着た記憶なんてないんだけど、
 袖を通してみたら、感覚でなんとなく着れちゃった」
「感覚……ですか?」
不器用な彼女に、そんな器用な真似が本当に出来るのだろうか。
「もしかして前世のわたしって、日常的に和服を着てたのかも、なーんて!」
「ああ……それはあるかもしれませんね」
僕も、前世の記憶なんてほとんどおぼろげだけれど、和服の着方はきちんと身に染み付いていた。
それと同じように、彼女にも前世の習慣が身体に備わっているのかもしれない。
そう思って僕が返事をすると、彼女は嬉しそうにぱあっと顔を綻ばせた。
「そっかあ……! 少し前世の自分に近づけた気がするよ。嬉しいなあ」
花が咲いたように笑う彼女。
生楽祭が終わった時には「記憶なんてなくてもいい」というようなことを言っていたけれど、
やっぱり気にはなっているのだろう。


でも、記憶なんて、ない方がいいに決まってる。
冥府にいる人間に、悲痛な過去を持たない人間なんていないのだから。


(いつか、本当に彼女の記憶が戻ってしまったら、
 こんな風に笑ってくれることもなくなってしまうのかな)
だとしたらそれは、素直に残念なことだな、と思った。

僕は、彼女のこの笑顔が好きだから。
彼女の笑顔は、未来も何もないこの世界において僕の心を明るく照らしてくれる、
数少ない希望のひとつだから。


……と、彼女を見つめ、ふと気付く。


「髪飾り、少し取れかかってますよ」
「えっ、本当!? うう、浴衣は着られたけど、髪飾りはうまくいかなくて……」
なるほど、だからなかなか部屋から出てこなかったのか。
そう納得して、僕は彼女の髪からそっと髪飾りを外す。
そして改めて、髪飾りをつけなおした。
「はい、これで大丈夫だと思います」
「本当? ありがとう、アメ――」
顔を上げた彼女と、ぱっちり目が合う。
そこで今さら、僕達の距離がすっかり縮まっていたことに気付いた。
すると彼女の頬がみるみる赤に染まっていく。
伝わってくる感情はわあわあと大声で暴れ回っているのに、彼女自身は唇を引き結んでじっと耐えている。
そのちぐはぐさが面白くて、僕はつい噴き出してしまった。
「あ、アメ? どうして笑うの……?」
「いえ……何でもありません。それよりも早く行きましょうか、みんな待ってますよ」
「う、うん……」
彼女は胸を抑えながら、ひょこひょこと僕の後をついてくる。
そのたびに、彼女の浴衣の裾が金魚のヒレのように揺れる。


可愛い、と思った。


そんな感情を抱いたのは、いつぶりだろう。
最後に記憶に残っているのは、そう、僕がまだ生きていた頃の――……


「…………」
思わず、足が止まる。
「アメ?」
そんな僕の顔を、彼女が不思議そうに覗き込んでくる。
浴衣姿の、可愛らしい女の子。
彼女を目にした瞬間、記憶の蓋が外れそうになるのを感じた。
言い様のない恐怖を感じた僕は、あわてて数歩飛び退く。
(……何をしてるんだ? 僕は)
自分自身の行動に戸惑っていると、彼女の方から僕に近づいてきた。
「アメ、大丈夫? 気分が悪いの?」
「あ……いえ、そういうわけじゃ……」
「本当? なら、いいんだけど……」
彼女はほっと息をつくと、僕の手を握る。
「っ、あの……」
「こうしてれば、アメの気持ちがわかるからね! 無理したらすぐにわかっちゃうんだからね?」
得意気に笑うと、彼女は「ほら、行こう」と僕の手を引いて歩きだした。
さっきまで緊張で震えていた彼女の感情は、今は頼もしさを感じる程の優しさに溢れている。
(……すごい人だな、相変わらず)
可愛らしい一面もあって、そしていざとなるととても強い。
そんな彼女に眩しさを覚えながら、僕はそっと手を握り返した。


* * * * * * * * *


「アメ、何をぼんやりしてるの?」
ふと気付くと、僕の顔を彼女が覗き込んでいた。
「あ……すみません。考え事です」
「考え事?」
彼女が首を傾げると、髪飾りがきらりと揺れた。
「一年前のことを思い出していました」
「一年前って……あ! それってもしかして、みんなで浴衣を着て出掛けた時のこと?
 今日のわたしとアメみたいに」
「はい、正解です」
「ふふっ、やったあ!」
嬉しそうに笑うと、彼女は僕の腕にぎゅっとしがみついてきた。

死神養成学校卒業後、死神として多忙な日々を送っていた僕と彼女。
久しぶりの休暇を利用して、僕達は一年前と同じように、浴衣を着て夕涼みに出掛けた。
彼女が着ている淡い桃色の浴衣も、髪につけている飾りも、一年前と同じ。


一年前と違うのは、僕と彼女の2人きりなことと、僕達が恋人同士なこと。


「わたしもだいぶ、アメの心がわかるようになった気がするよ」
「本当ですか? ひょっとしてあなたにも、僕が持っていた力が備わってしまったんでしょうか」
「うん、そうかも! アメ専用だけどね」
冗談めかして笑う彼女に、僕もつられて笑う。
こんな風に『力』のことを笑い飛ばせるようになったのも、彼女のおかげだ。
「それにしても、一年前かあ……。あの時も楽しかったね。
 みんなの浴衣姿、すごく新鮮だったし」
「あの時と今と、どっちが楽しいですか?」
「え!? そ、それは……選べないよ。友達と、こ、恋人は、それぞれ違うもん」
もごもごと口籠る彼女。
すぐに恥ずかしがってしまうところは、一年前と変わらない。

でも、僕はあの時と変わった。
以前よりも、人との関わり方に前向きになった。
だから……こんなことも言える。

「浴衣、とっても似合ってて可愛いですよ」
「……え!? な、なに、いきなり」
「一年前もそう言いたかったんですが、あの頃の僕にはそんな勇気がなかったので。
 ようやく言えてスッキリしました。
 一年前も、今も、あなたはとっても可愛いです」
彼女はぱくぱくと口を開けたり閉じたりすると、赤くなった頬を両手で隠してしまう。
「ず……ずるいよ、アメ……」
「何がずるいんですか? 僕の成長を、あなたは喜んでくれないんでしょうか」
「……~~もうっ!! そういうところがずるいの!」
真っ赤になったまま逃げ出そうとする彼女の手を、あわてて掴む。

一年前は、この手に引っ張られてばかりだった僕。
でも、もうそんなのは嫌だ。
僕は、彼女の恋人なんだから――。

「可愛いあなたの全部が、大好きですよ」

正直な想いを告げて、僕は彼女の唇にキスを落とした。


*:..:**:..:**:..:**:..:**:..:**:..:**:..:**:..:


というわけで、アメのSSでした!
楽しくなって筆が乗ってしまった結果、予定よりも長い話になりました……(笑)。


少しでも楽しんでもらえたら嬉しいです。
改めて、アメ誕生日おめでとう!


それでは~!



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