Blackish House | Information Blog

Blackish House 新年のごあいさつ

2017年 あけましておめでとうございます!

あけましておめでとうございます!
星月プロダクション、広報担当スズキです!

新しい年になってBlackish House ←sideZの制作もいよいよ忙しくなってまいりました!

そして、ついに!!
1月20日発売予定B's-LOG3月号にて発売日公開となります。
また、早期予約特典、店舗特典やセット情報などの詳細もご紹介!!

雑誌公開情報
●Blackish House ←sideZ 発売日
●早期予約特典・店舗特典セット情報
●共通ルート(那由多・セラ)スチル公開
●『sideA→』からはKEYWORD TALK A to Z第3弾

本日は雑誌発売に先駆けて、
公開されるスチルの一部をご紹介致します。

それではまず1枚目!
共通ルートの那由多スチルから!

共通ルートの那由多スチル

那由多、悠翔、ヒロインがまだ幼い頃が描かれたシーン。
本当の兄弟のように過ごしている3人が満開の桜の中、花びらを捕まえようとしている可愛らしい一枚です。
ご紹介した部分はこの3人のうちの誰か……の幼い頃です。

2枚目はコチラ!
共通ルートのセラスチルから!

共通ルートのセラスチル

トップアイドルグループ“Spark Locus(通称:スパクル)”のステージを見ることになったヒロイン。
きらびやかなステージで歓声を浴びるアイドル・阿久根セラの様子が描かれています。
ステージでキラキラ輝いてるセラの一部をチラ見せです!

連載企画のKEYWORD TALK A to Z第3弾
今回も澪、藤吾、剛、円の4人がアルファベットから連想されるキーワードに沿って答えています。

Ikemen → イケメンだと思う人物について
Jealousy → やきもちについて
Kiss → キスについて
Love → 恋愛について

気になるキーワードはありましたか?
4人の回答はぜひB's-LOGの誌面でチェックしてみてください!

来週(1月20日)発売のB's-LOG3月号はこんな感じでたくさんの情報を掲載させて頂いております。
ぜひぜひ、チェックしてみてくださいね!

それでは星月プロダクション、Blackish Houseを
今年もどうかよろしくお願いいたします!

大反響を呼んだ様子のおかしいTwitterをまとめました!
見てくださいね!!!

姫崎 藤吾 at Blackish House
椎葉 剛 at Blackish House
久世 円 at Blackish House
宇賀神 澪 at Blackish House
誕生日記念イラスト集

体験版

Blackish House sideA→体験版配信中!

共通ルートの4月~6月までお送りしております。
製品版そのままで音声・BGM・スチル等々入っております。

対応OS:Microsoft Windows Vista(SP2)/7/8/8.1/10 日本語版
ファイル名:blackishhousesidea_trial.zip
サイズ:756 MB

ボタンをクリックすると体験版データがダウンロードされます。
ダウンロード後、ダブルクリック等で解凍して下さい。
解凍してできた「Blackish House sideA→ (体験版)」フォルダ内の「お読み下さい.txt」を御覧下さい。

××sideA→ムービー公開中××××××××××××××××××××××

××欠点アイコン配布中××××××××××××××××××××××××

sideA→組

←sideZ組

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Blackish Houseポータルサイト
Blackish House sideA→公式サイト
星月プロダクション公式サイト

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イラストをどどんと公開します!

どうもどうも中村です!

年末年始ということで、スズキがあっちこっち駆けずり回ってるので(主にパソコン上でですが)、代打として今回も中村が担当します!

現在中村はゆるっと仕事をしていて時間があるのと、
今回の更新が年内最後の更新ということで、気合を入れて書いていくので
長い、ながぁ~~~いブログになると思いますが、お付き合い頂けると嬉しいです♪(゚▽^*)ノ⌒☆


まずは、おしらせをちょこちょこと!

■公式Twitter■



最近、もっぱら様子がおかしいと話題のブラハの公式ツイッターです。
ブラハに関わる重要な情報から、くだらないけどためになる情報まで随時配信しています。
よければ、フォローしてくれるとスズキが喜び狂います。


■グッズ情報■

現在、ソル・インターナショナル様から
Blackish House ゆらゆらチャームコレクション』というグッズが発売されています!


【価格】
600円+税

【種類】
全10種(1BOX10個入り)


グッズ担当のKAYAJII(どこかで聞いたことがある名前だと思いますが)から、サンプルをもらったので、早速、中村も開封式を行ってみました。

開封前には、深呼吸。

中村「すーはーすーはー」

呼吸を整えたら、いざ、神妙に開封!!!

中村「ふんぐっ(SE:箱を開ける音)」

そして、出たのは……!!!!!



悠翔と藤吾でした!

手に取ってみると、オシャレでかっこいいチャームでした!
お店でみかけたら手に取ってみてください。

楽しみ方としては……

①一個だけ買ってみて、出たアーティストを推しにする
②二個買ってみて、そのアーティスト達に取り合われてると妄想してみる
③またまた一個だけ買い、ブラハをおすすめしたい友人にプレゼントして、
   出たアーティストがあなたの推しだよと言ってみる

④たくさん買って自分のコレクション用にする

と、様々!!

KAYAJIIがよくランダムのサンプルグッズを持って来て、1個引かせてくれるのですが、
大体、高木が担当のアーティストのグッズを引くことが多いです(笑)
引いた後は、高木の机にそっと置くようにしています。

見かけたら是非、手に取っていただけるととても嬉しいです!


■雑誌掲載情報■

B's-LOG2月号(12/20発売予定)に、Blackish Houseの情報が掲載されています。
掲載されたスチルをこちらでもご紹介!


幼なじみ3人組はほのぼのしていますね(*´ー`)


乃亜は……『←sideZ』のセクシー担当(笑)として頑張ってくれています。

次号では、那由多とセラのスチルを掲載予定ですので、お楽しみに!

←sideZ』は『sideA→』同様、ラブラブで可愛らしいスチルも多いのですがバッドエンドのスチルも多いです。
カズアキさんが描く美しいイラストで、『←sideZ』の世界を彩っていきますのでお楽しみ!

この号では、前号に引き続き、トーク企画『AtoZ』第2弾を掲載!
アルファベットのE~Hにまつわるメンバーの考えや言葉が分かっちゃいます。

じゃあ、ここで番外編として『←sideZ』メンバーにも聞いてみちゃいます!

AtoZ番外編

Heroine"ヒロインについて"

う~ん……お人形さんみたい。可愛らしい空っぽのお人形さん。小さな鳥かごに入れられて、大事にされてきたんだろうね~。怖い事や悲しい事は全部、鳥かごの外の出来事。だから、空っぽのまんま。……それは僕も同じか。つまんないね、僕も彼女も
優しい良い子だよ。役者としては現在俺が育て中。芸能界でやっていけるだけの技術は身についてるはずなんだけど……引っ込み思案な性格のせいか、なかなか自分の殻を割れないみたいなんだよな。仕方ない、あいつが独り立ち出来るまで俺が面倒みてやらないとな
……すごく、優しい。……それに料理も、上手……。……あと、笑顔も可愛い……。うーん……いいところ、たくさんありすぎて……どれを言えばいいか、困る……。俺にとって、一番大切な人
最初出会った時はなゆのオンナだと思ってた。けど、違ったのは残念。随分、失礼なオンナだと思ったけど、話すようになってから少し印象変わったかも。まあ、オレにとってはどうでもいいことだけどねー。もういい? くだらない質問されて疲れちゃった

悠翔と那由多は幼なじみとして、乃亜とセラは出会った直後の印象になります(´ω`*)

こんな感じで、『sideA→』のメンバーが質問に答えているので、チェックしてみてくださいね。


そして……!!


な、な、な、な、なんと!


来月号で、『←sideZ』の発売日を発表します!

今更かよ……と思う方もいると思いますが、真心を込めて制作しているので、
楽しみにしていていただけると嬉しいです(´;ω;`)





ふぅ……(*^-^)




ひと通りお知らせが終わったので、ここからは好き勝手にいろいろ紹介したり、書いていこうと思います!


まずは、こちら!




アンケートに答えてくださってありがとうございます(*゚▽゚*)
たくさんの方がアンケートに答えてくださって中村のテンションが上がったので、
出し惜しみせずにイラストを公開しようと思います!

こちらはB's-LOGさんで連載させて頂いていたイラストなのですが、
見ていない方や見逃した方もいらっしゃると思うので、
イラストと一緒に掲載されたSSと一緒にご紹介します。

しかも、どどんと10人分!
では、どうぞ~♪


Blackish House sideA→ 宇賀神 澪



今日は、俺がレギュラーで出演している刑事ドラマ『ASTERISK』の撮影だった。
主役ではないにしろ、主人公に近い存在として描かれている、なかなか重要なポジションの役だ。
抜きんでた演技力を見せる役者陣と、これまでいくつもの大ヒットドラマを手掛けてきた有名監督、そして何度も現場をこなした実力のあるスタッフ達。
優れた才能に溢れ、豊富な経験を積んだ人材だらけの中で挑む仕事はとても居心地が良い。
そんなドラマの視聴率はやはり良好で、俺の役者としての名を広めるにはうってつけの現場だった。
演技に熱中していると、あっという間に今日の収録が全て終わった。
「お疲れ様、澪君。今回の演技もすごくよかったよ」
今回収録した話にゲスト出演した女優が、俺に手を差し伸べてくる。
俺が戸惑っていると、彼女は自ら俺の手を取り、両手でぎゅっと握りしめてきた。
「私、ずっとあなたと共演したいと思ってたの。夢が叶って嬉しいわ」
「そうですか。ありがとうございます」
「ええ。さすがあの宇賀神恭介の息子ね」
――宇賀神恭介。
それは、芸能界で知らない者はいないと言われる名声を誇る、俺の父親の名前だ。
「ありがとうございます」
にこりと笑みを浮かべ、俺は彼女から手を離した。

使用人が迎えに来た車に乗り込み、自宅へと帰宅する。その道中、ふと自分の手を見つめた。
あの後何度も手を洗ったにも関わらず、女優の体温がまだ手に残っているような感覚を覚え、寒気がした。
(気色悪い……)
心の内で呟きながら、自分の手に爪を立てる。痛みが、俺の寒気を紛らわしてくれる気がした。
――宇賀神恭介の息子。
業界にいる限り、どこまでもその名は付き纏ってくる。あの憎らしい男の名前が。
「……許さない」
今度ははっきりと、声に出して呟く。
いつか、俺は知らしめるのだ。
自分はあの男よりも上なのだ、と。
宇賀神澪こそが、真の役者なのだ……と。
車窓にもたれながら目を瞑る。
帰ったら、次の台本のチェックをしなければ……。
自分の野望を叶えるための計画を考えながら、俺は眠りに就き、束の間の休息を得るのだった。


Blackish House sideA→ 姫崎 藤吾



和やかな雰囲気の中で行われるトーク番組の収録。
ベテランのMCに囲まれながら、今収録しているドラマの話題を中心にトークを弾ませていく。
ドラマの中で、俺は大した役どころではない。あくまで脇役の1人に過ぎない存在だ。
けれど、大きな注目こそ浴びないものの、与えられた役を監督の求めるままに演じきる俺の演技力は業界でもウケが良く、ありがたくもある程度の支持を得ている。
正直、俺は他人の演技を美しいと思う感性が欠けている。そのため、自分がどういう演技を目指したいかという理想も特にない。けれどその代わり、俺は、俺をとりまく人達がどういう「俺」を求めているかを察する能力に長けていた。
その力のおかげで俺はみんなが求める俳優・姫崎藤吾を振る舞う事ができ、今日もこうして芸能界という華やかな世界にいられる、というわけだ。

(……まあ、ずっとここにいられなくても、別に構わないんだけど)
収録を終え、楽屋で荷物を片づけながら、そんな事を考える。
俺には、俳優としてのし上がりたいという大志があるわけではない。
俳優としての支持を得られなくなったら、あっさりと身を引く心積もりでいる。
俺が芸能界に身を置いているのは、あくまで――役者としてその名をしらしめたいという、幼なじみの手助けをするため。
幼い頃に結んだ、あいつとの契約。
きっと向こうももう覚えていないだろうそんな小さな約束のために、俺は今もここにいる。
俳優、姫崎藤吾として……。

そんな思考の海に沈んでいると、ふいにスマホが鳴りだした。
画面を見ると、それは思考の渦中の存在であった幼なじみからの着信だった。
「どうしたの、澪。もう仕事終わった?」
俺の呼びかけに応える声は、不機嫌さを前面に押し出している。よほど現場で腹の立つ監督にでも当たったのだろう。本当にわかりやすいやつだ。
いつまでたっても子どものままの幼なじみに笑いが込み上げるのを、なんとか抑える。
「それじゃあ、気晴らしに遊びにでも出かけようか」
そんな提案をすると、あいつはフンッと大きく鼻を鳴らした。承諾の合図だ。
予想通りの反応に堪えきれず、結局、俺は笑い出してしまったのだった。


Blackish House sideA→ 椎葉 剛


それは、俺がまだ声優デビューしたての頃の話。

まだまだ経験の浅い身である俺のもとに、アニメの主役の仕事が舞い込んできた。
一見すると順風満帆に見える俺の人生。だけど……
「……な、なんでよりによってハーレムアニメなんだよぉぉっ!!」
俺が主役を務めることになったアニメ『青春極めました!』は、ライトノベルが原作のハーレムアニメ。
それ自体は悪くない。俺だってラノベは学生の頃に通った道だし、ハーレムアニメも嫌いじゃない。複数の女子から迫られるシチュエーションなんて、男だったら一度は誰もが夢見る展開だろう。
けど、2次元と3次元は別物だ。
現実の、実在してる女子に囲まれるなんて、そんな状況……想像しただけで緊張する。
正直、逃げ出したくて仕方ない。
(けど、これも仕事。俺の声優としてのスキルアップのためにも必要な事……っ!!)
そう意気込んで、俺は自分を奮い立たせ、収録現場へと向かった。

――その日の収録の結果はと言うと。

「……はあ」
結局、収録はダメダメだった。
いつもそう。女子の多い現場だと、緊張でうまく演じ切る事が出来なくて、何度もリテイクを出されて……満足のいく結果が出せないまま、周りに迷惑を掛けて終わる。
(男子ばっかの現場だったら、何とかなるのによ……)
昔からどうしても、女子がそばにいると異常に緊張して、どうしたらいいのかわからなくなってしまう。
養成所時代から、この極度の女子恐怖症のせいで何度も怒られていた。
このままだとお前の声優としての未来はないぞ、と……。
(俺だって、なんとかしたいとは思ってる。けど、どうしたらいいかわかんねーんだよ……)
スタジオのロビーの端っこで、盛大なため息を吐く。すると……
「椎葉さん、取材の準備が出来ましたので、こちらにお願いします!」
「うえっ!?」
スタッフに呼ばれて振り向くと、ロビーには撮影の準備が整っていた。
カメラの前に楽しそうに並ぶ、共演している女性声優たち。
その中央のスペースが、ぽっかりと空いている。
そのスペースは……主役である俺のために用意されている場所だ。
(………………もう、ダメだ)
強烈なめまいを感じながらも、スタッフに促されるまま、よろよろとその場所に座る。その瞬間、女子の甘い香りがぶわっと漂い、意識が朦朧とし始めた。
――この写真を俺が見返す事は、この先二度とないだろう。
そんな事を考えながら、俺は顔の筋肉をひきつらせ、無理やり笑顔を作った。


Blackish House sideA→ 久世 円


「さむいさむいさむい!」
目の前でかじかむ手に息を吹きかけながら、鼻の頭を真っ赤にしている阿久根。
季節は冬。日が昇ると同時に始まった撮影の出番待ちだ。
早朝の冷え込みは、寝ぼけた頭を一瞬で覚醒させてくれたけど、それと同時に俺の身体から容赦なく体温を奪っていった。
「あっ、いいところはっけーん!」
「ん? お、おい……なんだよ!?」
阿久根はニヤッと笑ったかと思うと俺が羽織ってたダウンジャケットの中に入ってきた。
「うぅ……あったかーい」
「なんだよ、出てけよ」
「いやだよー」
俺の文句も聞かずに阿久根はそのままダウンジャケットの中に篭ってしまう。
これが案外あったかいもんだから、文句を言う気も失せる。
「ねぇ、まだかな?」
「もうすぐじゃないか?」
「そっかー。今日はすごいいいシーンだもんね。がんばるぞー」
「いつも頑張れよ」
「えぇ~」
共演者との他愛ない会話。俺はこれが苦手だったりする。
長年この業界にいるのに、歳を重ねていくごとに人付き合いが嫌いになっていった。
(理由は誰にも言ったことはないけど……)
「まださむいな~」
飲もうと思っていたコーヒーを阿久根に差し出す。
「くれるの? ありがとう」
仲良くしたいわけじゃない。これはほんの気まぐれだ。
迷惑だけどあったかいそのお礼みたいなもの。
俺の下でプルタブを引いて開ける音が聞こえてきて「おいしい」という声が聞こえたと思ったら、「あったまるよー。まどかも飲みなよ」と言って俺の目の前に差し出された。
(大して仲良くないのにいつの間にか名前呼びなのは、こいつが人懐っこいからか?)
無言で受け取って一口飲むと、優しい味がした。
「おいしいよねー」と言って阿久根が笑う。
いつの間にか寒さを忘れていて、言い様のない気持ちが胸をくすぐる。
共演者と仲良くする気にはなれないけど、こうして少し話すくらいならいいのかもなと思わなくもなかった。


Blackish House ←sideZ 有村 乃亜



「乃亜く~ん、こっちに視線向けて?」
「はぁ~い」
「いいね! もうちょっと、憂いを帯びた表情できる?」
(憂いを帯びた表情……か)
表情を作って、「こんな感じ?」と視線を向ければ現場にいた女性スタッフから感嘆の声が漏れるのが分かった。
今日は雑誌のグラビアの撮影の日。
グラビアと言えば昔は女の子が水着姿になって、大胆な格好をしているのが主流だったけど、最近はどうやら違うらしい。
男の俺の水着姿にも需要があるみたいで、こんなのを見てどうするんだろうなってのんびりと考えながら言われるがままに視線を向けているうちに撮影が終わった。

撮影が終わり、濡れた身体をシャワーであたためてから髪を乾かしながら楽屋に戻ると、楽屋には先客がいた。
撮影前に今回グラビア撮影のオファーをくれた雑誌の編集長だと紹介された女性が立っていて、俺を見るなり近寄って来た。
「今日はお疲れ様。最高にセクシーだったわ」
「ありがとうございます。気に入ってもらえたなら嬉しいですよ」
(見た目の感じからして……30歳後半ってところかな?)
「とっても気に入ったわ。きっと話題になること間違いなしよ。乃亜君って本当に綺麗な顔と身体をしているわね」
そう言いながら、彼女は俺の身体をさすりながら意味深な笑みを浮かべた。
「そんなに褒められると照れますよ。貴方の方が綺麗ですよ」
社交辞令を一つ、口にすると、彼女は気を良くしたようだった。
「ふふっ、ありがとう。それでね、この後2人きりで仕事の話がしたいんだけど……時間あるわよね?」
断る余地はないと言う物言い。不快感はあるけど、断る気はないから構わない。
「いいですよ。ただ、僕は未成年なのでお酒は飲めません。おいしいジュースが飲めるお店に連れて行ってくれると嬉しいです」
そう言うと彼女は、その視線に色を宿して俺を見つめ「お姉さんに任せなさい」と耳元で囁いた。
さあ、今日はどんな夜になるのかな――。


Blackish House ←sideZ 桜坂 悠翔


高校1年も、もうすぐ終わりを迎えようとしていたある日のこと。
俺を含めた演劇科の生徒達は、今日も『学年末演劇』の稽古に励んでいた。
学年末演劇とは、役者から裏方まで、すべての作業を生徒達が自ら手掛ける舞台のこと。
この舞台の出来栄えを見て、教師陣は、生徒の実力の程を判断するのだ。

成績がかかっているこの重要な舞台で、俺が任された役目は――『演出家』。

役者の演技指導から、美術、照明、音楽など、舞台の演出にまつわるすべてをとりまとめ、イメージした世界観を作り上げていく。
それは、オーケストラで言うところの指揮者のような存在だ。
俺の指揮なしには、舞台は完成に至らない。
クラスみんなの推薦でこの役目を得た時はとても名誉なことだと思ったけれど、プレッシャーも半端なかった。
俺の指揮の取り方次第で、舞台は生きも死にもするのだから。
だけど……。

「悠翔、お疲れ様」
休憩時間になり、汗ばんだ額をジャージの裾で拭っていると……いつの間にか、俺の幼なじみが隣に立っていた。
「舞台の完成まで、あともう少しだね」
「そうだな。お前の演技も、かなり良くなってきたし……」
「悠翔の指導の仕方が良いんだよ。悠翔の指示通りに演じると、とっても気持ち良く動けるの」
「ははっ、そっか。そう言ってもらえると俺としても嬉しいよ」
「うん。……これからもずっと、私が立つ舞台では、悠翔が演出をしてくれたらいいのに……」
弱々しい声に気付いて、ふとこいつの顔を見やると、こいつは物憂げに長い睫毛を伏せていた。

――俺は知っている。
女優として芸能活動を始めたこいつが、なかなか芽を出すことが出来ず、伸び悩んでいることを。

直接こいつから話を聞いたわけじゃないけど……わざわざ聞かなくても、こいつの考えてることはわかる。
だって俺は、こいつと誰よりも一緒にいる幼なじみなのだから。
だから……どうしたらこいつを笑顔にさせることが出来るのかも、心得ている。

「……なーに弱気なこと言ってんだか」
俺は笑って、こいつの頭を少し乱暴に撫でた。
こいつは「痛いよ」と困った声を出しながら、それでも楽しそうに笑みを浮かべた。

ほら、俺には何でもわかる。こいつに関することなら、何でも。
誰よりもずっとこいつのことを大切に想ってきた、俺には……。

「舞台、頑張って完成させような。お前の女優としての実力を、先生達に知らしめるためにもさ」
「……うん」
弱く微笑むこいつの頭を、もう一度撫でてやる。今度は優しく、慈しむように。

俺の演出をこいつが喜んでくれるのなら、プレッシャーなんてねじ伏せてやる。
こいつを笑顔にするためなら、俺は何だってしてみせる。

『こいつを守ること』――ただそれだけが、未来を失くした俺の存在理由なのだから。


Blackish House ←sideZ 結城 那由多


オーディオプレイヤーに入っている曲を適当に選び再生ボタンを押す。イヤフォンから音が響いたのをきっかけに身体を反応させると、ニュートラルだった身体は一気にトップギアに入る。指先からつま先まで、あらゆる身体のパーツを動かしてリズムに乗るともう止められない。それは自分と音が同化していくような感覚で、身体が記憶している動きがリズムとリンクしていく。

(うん……この感じ)

音と身体がカチリとはまる。その瞬間が気持ちがいい。ただただ楽しい。だから、踊るのが好き。
頭の中が真っ白になって、無心になれる。嫌なことも目を背けたいこともこの時だけは消えてくれるから、踊るのが好き。

「はぁ……はぁ……」

いつの間にかイヤフォンからは音が消え、フォルダに入っていた曲が流れきったことを教えてくれる。気が付くと身体からは汗が滲み、心地のいい疲労感が身体を包み込んでいた。

(……これも、好き)

流れる汗を雑に拭い、乾いた身体に水分を流し込む。
自分なのに自分じゃない感じ。でもそこには”気持ちいい”という感覚がある不思議さ。
バラバラのような感じだけれど、同化している一体感がいつもそこにある。

目を閉じて余韻に浸っていたけれど、身体はゆっくりと現実へと引き戻されていく。
瞬間、真っ白だった頭に翳りが生じる。

”あいつ、何考えてんのかわかんないよな。表情変わんないし、しゃべらないし”

踊るのは好きだけど、人と関わるのはイヤ。
どうして生きていくことは人と関わらなくちゃいけないんだろう。
しゃべらないだけでいろいろと言われてしまうんだろう。
コミュニケーションってどうして必要なんだろう。

(……俺には、難しい……)


何度も直面するそのシーンにため息を吐き、俺はもう一度再生ボタンを押した。


Blackish House ←sideZ 阿久根 セラ


ステージの上で、決められたプログラムをこなしていく。
踊り、歌い、踊り、歌い、その繰り返し。
オレの一挙一動で歓声が沸きあがり、悲鳴にも似た歓声がドームの空間を埋め尽くす。
右にはアキト、左にはミサキ。そして、ステージの中心にはオレ――阿久根セラ。
誰もがオレに夢中になって、心を震わせる。
(……くだらない。本当にくだらないよ)
ねぇ、本当は気づいているんでしょ?
純粋無邪気なアイドルなんていないって。
そのうえでくだらない毎日と、思い通りにならないちっぽけな自分を受け入れられなくて、現実から逃げるようにオレ達アイドルに夢を見てるんだよね?
お願いだから、そうだって言って。
まさか、本気で信じてるなんて、そんなの笑い話にもならないから。
オレだって、忘れたい過去と、くだらない日常と、どうあがいても変えられない自分を受け入れられなくて、逃げてるんだ……歌に。
笑顔を振りまき、歌いながら考えていることをファンのみんなが知ったら軽蔑するんだろうね。それで、自分が思い描いた夢がなかったことにうんざりして、次のアイドルにいくんだよね。
自分自身が消耗品だなんてこと、誰よりもオレが理解している。
でもね、オレはまだまだここに居続けるよ。
そのためなら、何でもしてやるんだ。そう、手段は選んでいられないから――。


Blackish House 久世 華純


パシャッ、ピピピピ。
シャッター音が鳴り響くスタジオ。その中心には僕。
くだらなく最低な現実から逃れたくて始めた仕事。
円への対抗心がなかったわけではないけど、それなりに気に入っている。
そこにいるだけで感謝される仕事は他にはない。
楽な仕事。でも、これが僕に一番合っている。
そんな事を考えていると、撮影が終わってしまった。
「また次もよろしく」と声をかけられ、「こちらこそです」と僕は笑った。
(よかった。笑えている)
撮影中や仕事だと笑えるけど、ここ最近プライベートで笑った記憶が無い。
あの事件以来、もう全てがどうでもよかった。
生きることも死ぬことも、どっちにしろ疲れる。
ただ流されるように生きる日々。
僕は水槽の中にいる魚で、僕は現実と1枚のガラスを通して関わっている。
僕なのに僕じゃない感覚。
(気持ち悪い……)
心の奥底から込み上げてくるのは、妬み、嫉妬、憎しみ。
黒い感情に心が燃えて、他の感情が入る余地が無い。
それがひと時とはいえ忘れられるのが仕事だ。
(もう仕事をしない方がいいのかもな……)
忘れたくない感情、誤魔化したくない想い。
捨てられないのなら全て抱えて生きよう。
憎いあいつの心を握りつぶすその日まで。


Blackish House YUE


「わ~、懐かしいものが出てきたねえ」
引っ越しの日。自分の荷物を整理していると、数年前の音楽雑誌が出てきた。
表紙を飾っているのは、僕。
歌手として活動していた頃の名残を感じさせるものはすべて捨てたつもりだったけど、まだ一部が残っていたみたいだ。
「我ながらかっこいいねえ」
大勢の観客からの注目を浴びながら熱唱している、写真の中の僕。
自分の世界に夢中になっているその様子は、今、こうして改めて振り返ってみると、ちょっぴり恥ずかしい。

歌が好きで、もっとたくさんの人に聴いて欲しくて、家の反対を押し切り、夢を追いかけ続けた。
歌でお金を貰えるようになるまでは苦労の連続で、野宿を繰り返していた時期もあった。
でも、今の事務所に拾ってもらえたおかげで歌える場所が出来て、歌を聴いてくれる人がどんどん増えていって、注目してもらえるようになって……気がつけば僕のそばには、常に大勢の人がいるようになった。

事務所のスタッフ、たくさんのファン、仕事で出会ったよくわからないお偉い人たち……いろんな人に囲まれて、僕は孤独じゃなくなった。
それは、とても嬉しいことだったけれど……
ある日、僕はふと気付いてしまったのだ。

――一番僕が歌を聴いて欲しかった人たちが、そばにいない。

一度それに気付いてしまうと、もうダメだった。
僕の胸に、『寂しい』という気持ちが常にはびこるようになった。
心が弱ると、どうやら身体も弱るようで……ある日を境に、僕は歌を歌うことが出来なくなった。

家を捨てて夢を追った、僕。
その天罰が下ったのか、僕は夢を追えない身となった。

だったらもう、僕がすることは一つしかない。

――『罪滅ぼし』。

捨ててきてしまった家のために、自分が出来ることをしよう。
向こうは、それを望んでいないだろうし、僕の自己満足にしか過ぎないけれど……それでもいい。

僕は音楽雑誌をごみ箱に突っ込み、鞄一つだけの荷物を背負う。
そして、今までお世話になった部屋に別れを告げた。

目指す場所は……月涙館。

僕の罪滅ぼし生活が、そこで始まる。


一気に並べると、すごい迫力ですね。

ちなみに剛のイラストにある青春極めましたのポスターの拡大版がこちら!


ポスターはタイトルだけお伝えしていて、ぼやかしてくださって大丈夫ですとお伝えしていたのですが、まさかポスターを描いてくださるとは思わなかったので、カズアキさんのこだわりに頭が下がる思いです。
余談ですが、タイトルロゴはスズキが作りました(笑)。


ここからは蔵出しのイラストを……!


それは、シナリオのプロットを書いていた日のことだった。
中村は円のプロットが全然書けず、「ふぇ……書けないお(´;ω;`)」と泣き言を言っていると、
カズアキさんから「これ、よければ」と言って渡されたのが……!!



円のラクガキでした!

「ぐおおおおおおおおお」と怪獣みたいな鳴き声をあげる中村。
「(ネタバレ反転)仲が悪くて険悪な双子は初めてなので、イメージが合っているか分かりませんが」と言ってカズアキさんはこのイラストをくださったのです。

中村の秘密フォルダに仕舞っておくのはもったいないので
ここでご紹介してみました!

この後はスランプを脱し、プロットが書けたのは言うまでもありませんね(笑)
カズアキさんには感謝、感謝です( ;人;)


イラスト紹介の最後はこちらで締めを……!



澪「この愚か者どもめ!!! 俺の言うことを聞け!!!!」

という、台詞が似合う澪の立ち絵の没案です(笑)
カズアキさんと話し合った結果、軍艦の提督っぽいポーズ過ぎるということで却下になりました。
結構、この立ち絵気に入っています。



乃亜「わぁお! スカートがめくれちゃった~」

という台詞がぴったりなこちらは乃亜の没案です!
これだとヒロインが乃亜に負けてしまうということで没に(笑)。




円&華純「いぇーい☆」

珍しく仲良さげな久世兄弟ですが、こちらも没に……。
理由は2人がくっつき過ぎていて、片方だけ使いたい時に使いづらいという理由です。
仲良しな久世兄弟も可愛いんですけどね!

この4人以外は、最初に出していただいた案で進んだので没案ありません。
キャラデザに関しては、カズアキさんのセンスを信頼しているのでほとんど没になることがなく、あんまりすんなり通すため逆にカズアキさんに心配されることも。
「本当に大丈夫ですか?」「遠慮して言えないとかじゃないですか?」「ちゃんと見ました?」と聞かれたことは、多々あります(笑)。
中村とカズアキさんは好きなキャラの傾向が似ているので、
2人で決め過ぎると好みが偏り過ぎているんじゃないかと不安になることがあります。
ある程度まで進めたら、スタッフに見せて意見をもらうようにしているのですが、
ここでも修正が入ることはなく……その時にようやくホッと安心しています。
好きなキャラの傾向と言えば、中村と高木はほんっっっっっとに男の趣味が合いません!!(言い方があれですが(笑))。
この前も、好きなキャラやシナリオの傾向を話していたんですが見事に真逆でした。
最終的には毎回“みんな違って、みんないい”という結論にたどり着きます(笑)。
←sideZ』は、この好みの違いを生かして、個性あるシナリオにしていきたいです!

ブラハのキャラデザで最初に出来上がったのは澪と藤吾と乃亜とヒロインでした。
制服も色違いの案を3案出してくださったので、うんうん悩みながら今の制服の色に決めました!
校章もカズアキさんのデザインです!

こんな感じです!



いつか機会がありましたら、制服の没案もご紹介したいと思います!


現在、中村と高木は他に担当している別作品の制作がやっと落ち着き、
←sideZ』の制作に集中しています。

←sideZ』では、中村と高木の他に、『photograph journey』を担当していた坂本も加わって3人で制作を進めています。
社内で、坂本は別名“シー・ブリーズ”と呼ばれており、優しい風が吹き抜けるようなシナリオを得意としているので、
sideA→』で剛がhoneybee枠(ピュアな恋)だったように、坂本が担当する那由多が『←sideZ』でのhoneybee枠になります。

ブラックなお話だけでは心が疲れてしまうので、ピュアなお話も混ぜてお届けしていきたいと思います。

また、『←sideZ』では、honeybee black至上最長の個別ルートになりそうなアーティストがいます(笑)。
sideA→』でhoneybee black至上最長の個別ルートの記録を出したばかりなのに、
同じhoneybee blackから出ている『apple-polisher』でさらにその上を更新したのですが
←sideZ』はそのさらに上をいく可能性が出ています。
記録はどんどん更新されていくものなのですね!!

長ければいいってものではないと思うので、飽きずに最後までプレイしていただけるように、
スタッフ一丸となって制作を進めていきたいと思います!

年内最後の更新ということで気合を入れて書いてみました!
明日は“はちみつくりすます”の方で、とあるものが公開されますので、こちらもお楽しみに!


最後に、クリスマスもまだですが、年末のご挨拶をさせていただきたいと思います。

今年は、『sideA→』を手に取って頂き、プレイして頂けたことを心から嬉しく思います。
来年は『←sideZ』の発売に向けて、邁進していきますので、応援していただけると嬉しいです。
また、来年もよろしくお願いします。

メリークリスマス!
そして、よいお年を(*´∀`*)ゞ


SSS公開予定!

SSSはsideA→本編のネタバレを含みます。本編未プレイの方はご注意ください。

体験版

Blackish House sideA→体験版配信中!

共通ルートの4月~6月までお送りしております。
製品版そのままで音声・BGM・スチル等々入っております。

対応OS:Microsoft Windows Vista(SP2)/7/8/8.1/10 日本語版
ファイル名:blackishhousesidea_trial.zip
サイズ:756 MB

ボタンをクリックすると体験版データがダウンロードされます。
ダウンロード後、ダブルクリック等で解凍して下さい。
解凍してできた「Blackish House sideA→ (体験版)」フォルダ内の「お読み下さい.txt」を御覧下さい。

××sideA→ムービー公開中××××××××××××××××××××××

××欠点アイコン配布中××××××××××××××××××××××××

sideA→組

←sideZ組

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Blackish Houseポータルサイト
Blackish House sideA→公式サイト
星月プロダクション公式サイト

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honeybee black × カズアキでお送りする『ダメ人間カウンセリング恋愛ADV』。
Blackish House sideA→、Blackish House ←sideZの2本で発売予定!

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